(※写真はイメージです/PIXTA)
もし家族が同じような状況になったら…
この事例を振り返ってみた時に考えさせられるのは、医学的判断の妥当性です。大方の医療ケアチームの判断としては、この状態では、再び食べられるようにはならないと見えます。そして本人に自宅に戻りたい意思があり、家族も自宅で看取りたいと言っているのだから、それに沿えばいいのではないか、という判断になりがちです。
しかし一部の医療者からの、「よくなる可能性があるのなら、もう少し頑張ってみてもよいのでは」といった提案で、本人が嫌がらない範囲での治療を試みたところ、それによって回復し、退院に至る結果となったのです。主治医の言うことを鵜呑みにしない、それが、この事例の裏の意味です。
ただ、ここまで丁寧な医療ケアチームカンファレンスが行われている医療機関ばかりではないでしょう。だから、もしあなたの家族がこうした状況に直面したら、医師にこう聞いてください。「医師団の意見は一致しているのですか?」あるいは「医療ケアチームの医療判断は一致しているのですか?」と。チームカンファレンスが行われていれば、たとえ、医療者の意見が割れている場合でも、医学的な判断の妥当性は担保されていると思ってよいでしょう。
西川 満則
福村 雄一
大城 京子
小島 秀樹