(※写真はイメージです/PIXTA)
40代以上に忍び寄る「共働き維持」の限界点
パーソルキャリア株式会社/転職サービス「doda」『共働き夫婦の実態調査』によると、ビジネスパーソンのうち結婚している人の61.8%が「共働き(パートナーが正社員)」と回答しており、もはや共働きは特別なことではありません。
しかし、年代別の共働き率(パートナーが正社員)に目を向けると、20代では88.5%に達していますが、40代以上になると53.2%と急落します。これは40代後半以降、子どもの教育費が最大化する一方で、親の介護や自身の健康問題といった「生活ステージの変化」により、夫婦揃ってフルタイム勤務を継続する難易度が急激に上がる現実を示しています。
特に、世帯年収が800万〜1,000万円を超える世帯では、住宅ローンや教育費などの「固定費」が膨らみがちです。
同調査では、共働き世帯の転職理由として「給与が低い・昇給が見込めない(33.4%)」がトップとなっています。
これは、高止まりした生活水準を維持するために、収入を下げることの許されない「引くに引けない状況」に多くの夫婦が置かれていることを裏付けています。
また、パートナーの転職(収入減のリスク)に対する意識にも、40代特有のジレンマが見られます。
40代以上では、パートナーが転職する場合に「応援する」と答えた人が89.5%にのぼり、そのうち75.1%が「年収が下がっても応援する」と回答しています。
しかし、20代・30代を中心に「年収が下がるなら応援できない」という本音も根強く、40代以上で「年収に関わらず応援する」という回答が増えるのは、精神的な余裕があるからだけではないでしょう。
佐藤さん夫婦のケースのように、パートナーの限界を目の当たりにし、認めざるを得ない状況に追い込まれている側面もあるはずです。
厚生労働省の統計にある「40代後半・正社員の平均年収822万円」という数字は、単独で見れば安定しているように見えます。しかし、実際にはその収入だけでは賄いきれない住居費や教育費を抱え、夫婦二人の合算収入に依存しきっている世帯が少なくありません。
一方が離職した瞬間に生活が破綻するリスクを抱えたまま、無理をして働き続けているのが共働き世帯の実態です。家計が立ち行かなくなる前に、固定費の見直しや、一馬力でも生活できる水準への調整を検討しておくべきだといえるでしょう。
[参考資料]
パーソルキャリア株式会社/転職サービス「doda」『共働き夫婦の実態調査』