(※写真はイメージです/PIXTA)
統計から見る「生きがいプレッシャー」の正体と、新しい幸福感
ソニー生命保険株式会社『生きがい実態調査』によると、60代の58.0%、70代の63.5%が「生きがいを感じる瞬間がある」と回答。その中身を見ると、60代も70代も「旅行」がトップで、「美味しいものを食べているとき」「子どもと話すとき/連絡を取り合うとき」と続きます。
【高齢者が生きがいを感じるとき】
■60代
旅行(53.4%)、美味しいものを食べているとき(43.1%)、子どもと話すとき/連絡を取り合うとき(33.6%)、テレビ・映画鑑賞(33.6%)、子どもと出かけるとき(26.7%)
■70代
旅行(57.5%)、美味しいものを食べているとき(49.6%)、子どもと話すとき/連絡を取り合うとき(35.4%)、孫と話すとき/連絡を取り合うとき(32.3%)、温泉・銭湯・リラクゼーション・スパに行くとき(29.9%)
順位に変動はあるものの、60代も70代も、多かれ少なかれアクティブに何かをしているときに、生きがいを感じやすいようです。
1990年代、WHO(世界保健機関)が「アクティブ・エイジング(活動的な老化)」という概念を提唱し、その後の高齢者政策の理念として大きな転換をもたらしました。そのため、「活動的であることが善である」という刷り込みが行われたといっていいでしょう。
アクティブ・エイジングは健康寿命を延ばし社会参加を促す有益な概念であるものの、何もしない老後が「悪」ではありません。大切なのは周囲の価値観=忙しさの美化に合わせることではなく、自分の価値観で、無理なく心身の健康(運動や趣味)を保ち、孤独を防ぐことです。
予定を詰め込まなくても、目標を掲げなくても、誰かの役に立っていなくてもいい。ただ日常の余白を楽しみ、一日を終える――。斎藤さんの老後は、「頑張らないこと」を自分に許した先に、生きがいは自然と現れるのだと教えてくれています。
[参考資料]