(※写真はイメージです/PIXTA)
誰でも意見を言える場を作ることの効果
職場において心理的所有感(※)を高めるためには「意見を言える」状態を一時的ではなく常設することが不可欠です。
一時的にしかメンバーの意見を聴く会がないと、メンバーの多くの意見や想いは「一過性の“気づき”」として終わってしまいかねません。だからこそ、自発的に関われる「場」を常に、もしくは定期的に整えておくことが、心理的所有感の醸成に向けた大きな一歩になります。
弊社の毎月の全社会議では、経営・人事制度に関する主要なトピックを共有し、社員全員で意見や視点を交換するための時間を必ず確保しています。また、同じく月1回実施しているエンゲージメントサーベイでは、無記名での意見
やアイデアも受け付けており、「ちょっと言いにくいな」と思うような内容でも気軽に投稿できるようにしています。
さらに、経営メンバーと現場メンバーによる「経営トーク」と呼ばれる対話会も定期的に開催しています。これは単発のイベントではなく、「いつでも何かあれば声を上げていい」というメッセージを定着させるために、あえて定期開催という形を取っています。
定期的な実施によって、職場全体に「意見を言ってもいい」「関わっていい」という空気がじわじわと浸透していくのです。この経営トークでは、新入社員の育成や評価制度に関する議論を行った際には、「若手社員のベース給を高く設定し、自らの成長責任を持たせるか、従来通りの報酬体系で会社主導の支援体制を強化するか」といった対話が実際に生まれました。ほかにも、「評価軸について」といったテーマでも「若手のうちから達成率で明確な差をつけ、メリハリある評価にするか、一過性の成果よりも能力向上を重視し、絶対評価的に育成するか」という議論がなされました。
このように、育成や評価の在り方を経営陣や人事部だけで決めるのではなく、若手社員自身も含めて「どうあるべきか」を率直に議論する場を持ったのが特徴です。結果として、制度や方針が自分ごと化され、育成や評価に対して自律的かつ前向きに取り組む姿勢が社内に広がっていきました。