(※写真はイメージです/PIXTA)
「お金が無いから、はじめられない」は、やらない言い訳
しかし、そんなある日、町を歩いていると、1件の空き物件を見つけました。わたしはそれに強烈な「チャンスの予感」を感じました。すぐに貼り紙に書いてある不動産屋に飛び込みました。話を聞くと、家賃が25万円、仲介手数料が12万円、合計37万円でその物件が借りられる、ということでしたが、毎月の生活費と返済で手元にそんな大金はありませんでした。
しかしその話を聞いた当時の妻が義姉に相談してくれたところ、上京資金として貯金をしていた50万円を貸してくれることとなり、わたしは2度目の起業をしました。残り13万円。このお金で、店内の準備と商品の仕入れをしなければなりませんでした。ここで、また助けてくれたのがOEM会社の里中さんでした。最初のお店の時と同じ条件、支払いを2ヵ月先、60日後払いで商品を仕入れさせていただけるようになったのです。
店内の準備は、使わなくなった長テーブルや椅子などを色々な所から借りたり頂いたものを使いました。「え、そんな物で?」と思うかもしれません。しかし、皆さんも「学校の集会」や「地方の公民館」、商店街のお祭りの時などに
設置されている「実行委員のテントの中」、また「ライブやスポーツイベントの受付」、「道の駅にある農家直送野菜の陳列」などを想像してみてください。今でも、パイプ椅子や使い古された長テーブルを使っているでしょう。それと同じです。
物事をはじめる時のやり方は変わりません。「お金が無いから、はじめられない」というのは、やらない言い訳でしかありません。そのような人は、仮にスタート時点で100万円、1000万円、1億円のお金があっても成功はしないでしょう。お客さんに喜んでもらって、リピートしてもらう「仕組み」を考えられずに、お金が減っていって「こういう事情でうまく行かなかった」と分析のふりをした言い訳をするだけになる確率が高いです。少なくとも、わたしはそういう人を数多く見てきました。大切なのは、ファンを作り、「お客さんは、どんなものがあれば喜ぶか? どんなことをすれば、喜ぶか?」と考え続け、行動をし続けることです。
37万円で店を借り、13万円で内装と商品を揃えた、小さなお店。残金はゼロ円、支払いは60日後。60日以内に「翌月以降の家賃25万円」と「仕入れた商品の代金13万円」分の利益を生み出さないといけません。
わたしの取った戦略は、それまでと変わりませんでした。ただ、前回やってしまった大きな失敗経験が、逆に「それまでと変わらない、自分のやり方」に対する「やっぱり、あの考え方が正しかったんだ」という確信となり背中を押してくれました。
「それまでと変わらない、自分のやり方」とは、烏龍茶販売で1位になれた時から変わらない
●ファン作り …… 日々の掃除、お客さんの名前を覚える
●お試し体験 …… 購入前の試飲
●セット割引 …… 単品ではなく12ヵ月セットで値引き
●関係構築 …… 配送などのアフターサービス
●ファン活用 …… ファンの方に協力をしてもらう、感想を貰う
という方法に加えて
●自分が実際に試し、自信をもって伝えられる商品しか扱わない
●自分から売らない、「欲しい」という人にしか売らない
●商品の説明の際には「ストーリー」形式にする
●こちらの悩みや考えを、お客さんに相談してしまう
といったものです。正しいやり方、すなわち「お客さんが喜んでくれるやり方」さえ確立すれば、あと
は「チャンス」を探し、見つけた瞬間に飛び込むことが大切です。
⻆谷 建耀知
株式会社わかさ生活
代表取締役社長