若くして掴んだ成功は、4,000万円の負債と共に泡と消えました。倒産後、のちにわかさ生活の創業者となる⻆谷建耀知氏を待っていたのは、妻がヤクルトレディとして家計を支える横で、「桃太郎電鉄」の100年モードをプレイし続ける無職生活……。しかし、再起のチャンスを虎視眈々と狙っていた彼は、ついに「チャンスの予感」に出会います。借金地獄と無職生活の果てに見つけた、商売の再出発点とは。同氏の著書『誰でもできる! 結果に繋がる超・マーケティング思考 すべての答えは個客の中にある』(アスコム)より、みていきましょう。
「誰もが知るCM」の100億円企業の創業者だが…過去には「31歳で借金4000万」、生活はヤクルトレディの妻頼り。消費者金融で30万円借りて自己啓発合宿へ行き、家に帰れば「桃鉄」に耽った無職の1年間 (※写真はイメージです/PIXTA)

「お金が無いから、はじめられない」は、やらない言い訳

しかし、そんなある日、町を歩いていると、1件の空き物件を見つけました。わたしはそれに強烈な「チャンスの予感」を感じました。すぐに貼り紙に書いてある不動産屋に飛び込みました。話を聞くと、家賃が25万円、仲介手数料が12万円、合計37万円でその物件が借りられる、ということでしたが、毎月の生活費と返済で手元にそんな大金はありませんでした。

 

しかしその話を聞いた当時の妻が義姉に相談してくれたところ、上京資金として貯金をしていた50万円を貸してくれることとなり、わたしは2度目の起業をしました。残り13万円。このお金で、店内の準備と商品の仕入れをしなければなりませんでした。ここで、また助けてくれたのがOEM会社の里中さんでした。最初のお店の時と同じ条件、支払いを2ヵ月先、60日後払いで商品を仕入れさせていただけるようになったのです。

 

店内の準備は、使わなくなった長テーブルや椅子などを色々な所から借りたり頂いたものを使いました。「え、そんな物で?」と思うかもしれません。しかし、皆さんも「学校の集会」や「地方の公民館」、商店街のお祭りの時などに
設置されている「実行委員のテントの中」、また「ライブやスポーツイベントの受付」、「道の駅にある農家直送野菜の陳列」などを想像してみてください。今でも、パイプ椅子や使い古された長テーブルを使っているでしょう。それと同じです。

 

物事をはじめる時のやり方は変わりません。「お金が無いから、はじめられない」というのは、やらない言い訳でしかありません。そのような人は、仮にスタート時点で100万円、1000万円、1億円のお金があっても成功はしないでしょう。お客さんに喜んでもらって、リピートしてもらう「仕組み」を考えられずに、お金が減っていって「こういう事情でうまく行かなかった」と分析のふりをした言い訳をするだけになる確率が高いです。少なくとも、わたしはそういう人を数多く見てきました。大切なのは、ファンを作り、「お客さんは、どんなものがあれば喜ぶか? どんなことをすれば、喜ぶか?」と考え続け、行動をし続けることです。

 

37万円で店を借り、13万円で内装と商品を揃えた、小さなお店。残金はゼロ円、支払いは60日後。60日以内に「翌月以降の家賃25万円」と「仕入れた商品の代金13万円」分の利益を生み出さないといけません。

 

わたしの取った戦略は、それまでと変わりませんでした。ただ、前回やってしまった大きな失敗経験が、逆に「それまでと変わらない、自分のやり方」に対する「やっぱり、あの考え方が正しかったんだ」という確信となり背中を押してくれました。

 

「それまでと変わらない、自分のやり方」とは、烏龍茶販売で1位になれた時から変わらない

 

●ファン作り  …… 日々の掃除、お客さんの名前を覚える

●お試し体験  …… 購入前の試飲

●セット割引  …… 単品ではなく12ヵ月セットで値引き

●関係構築   …… 配送などのアフターサービス

●ファン活用  …… ファンの方に協力をしてもらう、感想を貰う

 

という方法に加えて

 

●自分が実際に試し、自信をもって伝えられる商品しか扱わない

●自分から売らない、「欲しい」という人にしか売らない

●商品の説明の際には「ストーリー」形式にする

●こちらの悩みや考えを、お客さんに相談してしまう

 

といったものです。正しいやり方、すなわち「お客さんが喜んでくれるやり方」さえ確立すれば、あと
は「チャンス」を探し、見つけた瞬間に飛び込むことが大切です。

 

 

⻆谷 建耀知

株式会社わかさ生活

代表取締役社長