新NISA制度がスタートしてから2年が経過し、2026年を迎えた現在。かつては「貯蓄から投資へ」というスローガンに懐疑的だった層も、今やスマートフォンで自身の評価損益を確認することが日常の一部となりました。日本人の資産形成において、NISAはもはや特別なものではありません。しかし、制度を徹底的に使いこなす人とそうでない人の間では、目に見えない格差が生まれつつあるようです。
「このままじゃ老後は詰む…」月収32万円・44歳会社員、5年間1円も増えなかった〈貯金500万円〉が〈資産1,000万円超〉に変わった現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

新NISA3年目の実態。制度を「フル活用」できているのはわずか4人に1人

moomoo証券株式会社が、2025年10月に2,311人を対象に実施した『新NISAに関する調査』によると、回答者の85.6%がすでにNISAを利用しており、その過半数(52.0%)が「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用していました。

 

一方で、「非課税枠を使い切っているか(年間上限近くまで利用)」という切り口で分析すると、その割合は全体の26%(約4人に1人)にとどまります。つまり、口座は持っているものの、その恩恵を最大限に受けているのは少数派であり、残りの7割は「様子見の状態」、あるいは制度を十分に活用しきれていないのが現在地といえるでしょう。

 

この26%の「フル活用層」とは、どのような人々なのでしょうか。データは、意外な実像を示しています。

 

■30〜40代の現役世代が中心

フル活用層の約62%を占めたのは、30代(32.8%)と40代(29.5%)でした。潤沢な資産を持つシニア層ではなく、住宅や教育、老後といった現実的な課題に直面している現役世代がNISAを積極的に活用しています。

 

■成長投資枠を「ギャンブル」に使わない

フル活用層の73.7%は、明確に「長期投資」を選択しています。特徴的なのは成長投資枠の使い方で、短期的な利益を追うのではなく、佐藤さんのように「長期目線での資産最大化」のために枠を埋める傾向が強いことです。

 

■自立した投資マインド

彼らは「投資は自己責任であり、学習が必要」という項目に強く同意しています。他人の情報を鵜呑みにせず、自らリスクをコントロールし、取捨選択する「自立した実行者」である点が共通していました。

 

利用者の約9割が「今後、投資額を増やしたい」と意欲を見せる一方で、枠を使い切れていない「7割の層」と、着実に資産を積み上げる「26%のフル活用層」の間で、将来的な資産格差が広がりつつあります。

 

毎年満額まで使い切ることが全員にとっての正解ではありません。しかし、家計に合わせた最適なバランスを見極め、戦略的にNISAを活用することが、将来の安心を作る決定的な差となっているようです。

 

[参考資料]

moomoo証券株式会社『【新NISA 3年目の真実】2,300人に聞いた活用術。「新NISA使いこなし層」の正体とは?』