現役時代にどれほど活躍していても、定年後の生活が思い描いた通りになるとは限りません。ふとしたきっかけで突きつけられるのは、老後のシビアな現実と、自由にならないお金への葛藤です。ある男性のケースをみていきます。
動悸が止まりません…年金月17万円・68歳元部長に届いた「箔押し封筒」の恐怖。「10万円」が消えた夜のため息 (※写真はイメージです/PIXTA)

「元会社員」の年金分布、最も多いのは月17万~18万円の層

「現役時代は部長だった」というプライドと、「年金生活者」という経済的現実。このギャップに苦しんでいるのは工藤さんだけではありません。

 

厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』から、厚生年金受給者の実態を見てみましょう。資料によると、厚生年金(第1号・男子)の平均年金月額は16万9,967円。

 

さらに、受給額の分布(月額階級別受給権者数)を見ると、男性の場合、月額17万~18万円を受け取っている人が約103万人と最も多く、次いで月額18万円~19万円の人が約102万人となっています。つまり、現役時代に相応の給与を得ていたサラリーマンの多くが、この「月17万円前後」のラインに集中しているのです。

 

このような状況下、年金だけで生活のすべてを賄うのが難しいことは明白。だからこそ現役時代の資産形成が重要なのです。

 

しかし、工藤さんのように、どんなに貯蓄があっても自由に使えるお金がわずかであれば、悠々自適な老後はほど遠いものになります。株式会社プラスエイトの調査によると、50代夫婦の半数弱が小遣い制。また小遣い制の夫婦の9割以上が、小遣い制になったのは結婚当初と回答しています。

 

この結果を鑑みると、現役時代に小遣い制だった場合、定年を迎え、会社のしがらみから自由になったとしても、経済的には自由になれない、といえるでしょう。工藤さんのように「貯蓄はあるのだけど……」と、ため息をつく可能性が高いのです。

 

現役時代、どれだけ経済的自由を手に入れているか――その度合いによって、老後は大きく変わっていきそうです。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』 株式会社プラスエイト『【自分で稼いだお金なのに使えない....】8割以上がお小遣い制は結婚当初から!20代男性の約4割は家計管理に不満と回答』

 

【THE GOLD ONLINE おすすめの会員限定記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ