年末やお正月といえば、家族揃っての帰省が恒例行事。しかし、昨今の物価高による出費や、義実家での気遣いに疲れ、「正直、気が重い」と感じている人もいるのではないでしょうか。一方で、金銭面や人間関係の悩みとはまったく異なる理由によって帰省を断念するケースも。ある夫婦の決断をみていきます。
もう、お正月に帰らなくてもいいよね…月収48万円・45歳息子夫婦が帰省拒否。「なぜだ?」と問う70代祖父母も唖然する「かわいい孫のまさかの本音」 (※写真はイメージです/PIXTA)

無理して帰省する必要はない…決断の理由は?

年末が近づくと、憂鬱な気分になるという人は少なくありません。帰省にかかる交通費、手土産代、そして何より、義実家での気遣い。

 

「もう、無理して帰らなくてもいいかなって。今年は自宅でゆっくり過ごすことに決めました」

 

都内在住の佐藤由美さん(仮名・42歳)。夫の健二さん(仮名・45歳)と、小学4年生になる長男・陽斗くん(仮名・10歳)の3人家族です。世帯の月収は手取りで約48万円。決して生活に困窮しているわけではありませんが、物価高の影響もあり、年末年始の出費は家計に重くのしかかります。

 

しかし、今回、「帰省をしないと」決断した決定打は、金銭面や由美さんの精神的疲労ではありませんでした。きっかけは、愛する孫である陽斗くんが放った、ある一言だったそうです。


「夫の実家は北関東にあります。築40年近い木造住宅で、とにかく寒いんです。私たちは『お正月は帰るもの』という固定観念があったので、寒さも我慢の一部だと思っていました。でも、陽斗が『行きたくない』と言い出したんです」


義父母との関係は悪くありません。孫も可愛がってくれます。「それなのに、なぜ……」。健二さんが理由を尋ねると、陽斗くんはこう答えました。


「だっておじいちゃん、おばあちゃんの家、寒いんだもん。お風呂に入るのも寒いし、トイレも寒い。風邪ひくからヤダ」


この発言に義父母は言葉を失っていたとのこと。一方、由美さんにとってもハッとさせられる出来事でした。


「私自身、あの家の寒さは異常だと感じていたのに、『昔の家はこういうもの』『年に一度のことだから』と、思考停止していましたね……でも、子どもにとっては苦行でしかない。ヒートショックの心配もあるし、ただ数日、我慢したらいいとだけ思っていたのが、浅はかだったと反省しています」


由美さんは、単に陽斗くんが「行きたくない」とワガママを言っているわけではないことに気づき、深く反省したといいます。

 

「義父母には正直に伝えました。『家が寒すぎて、陽斗が体調を崩すのを心配している』と。最初は驚いていましたが、夫からも『俺たちも実はきつい。暖かくなったら遊びに行くよ』とフォローを入れてもらって。結局、今年のお正月は帰省を見送り、春先に日帰りで顔を出すことになりました」

 

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