老後、夫婦で「平均月25万円」…生活費を資産収入でカバーするためには、どうしたらいいのでしょうか。長期投資と複利の効果を活かした、資産形成の「正攻法」についてみていきます。
年金は期待していません!68歳専業主婦、生活費〈月25万円〉を年金以外で賄う「すごい資産形成術」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「配当生活」に必要な元本は? 時間を味方につける資産形成

佐藤さんのように、年金に頼らず「配当金」で生活していくことは、多くの人にとって理想かもしれません。では、仮に月25万円、年間300万円の配当金(税引後)を得るには、どれくらいの元本(株式資産)が必要になるのでしょうか。

 

株式の配当利回りは銘柄によって異なりますが、仮に税引後の平均利回りを3.0%と設定した場合、必要な元本は「300万円÷0.03=1億円」となります。もし利回りが2.5%であれば、「300万円÷0.025=1億2,000万円」が必要です。これは非常に大きな金額であり、一朝一夕で築けるものではありません。実際に、老後の生活に不安を抱える人は少なくありません。

 

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)』によると、世帯主60代の金融資産保有世帯の金融資産保有額は平均2,588万円。佐藤さんはコツコツと資産形成を続けることで、平均の4倍もの資産を築き上げました。佐藤さんが1億円を超えるような資産を「専業主婦」の立場から築けたのは、まさに「時間を味方につけた」から。また、インターネットバブルに乗ることができた、という運もあるでしょう。30代という早い段階から、家計をやりくりして生み出した「余裕資金」を、長期・分散を基本に、配当を重視しながらコツコツと投資し続けた結果です。

 

資産形成において、複利の効果は絶大です。若いうちから少額でも投資を始め、それを長期間継続することこそ、豊かな老後を手に入れるための「正攻法」といえるでしょう。

 

[参考資料]

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)』