(※写真はイメージです/PIXTA)
地頭力をデザインする
子どもたちは本来、もっと簡単に、もっと賢く育つことができるということです。でも、それを阻んでいるのが今の社会なのです。
都心で暮らす共働き夫婦の子どもをはじめとし、現代の子育て世代は、さまざまな情報に振り回されすぎています。学校が終わると塾などの習い事、家に帰れば宿題や課題をこなす。あるご家庭では、その後また別の塾に行かせる、といったところもありました。また、週末も、塾やその他の習い事が子どもたちを待っています。
もちろん、それだけ勉強させられれば、読み書きはできるでしょうし、計算問題も解けるようになるでしょう。その延長上に、偏差値の高い中学・高校、そして、大学があるのかもしれません。
すべてはわが子の将来に思いを馳せてのことでしょう。それだけつめ込めば、認知力はひょっとすると高い子が育つかもしれません。ですが、社会に出れば言うまでもなく、非認知力とメタ認知力が強く求められることになります。それはつめ込み教育では得られない能力なのです。
一方で、のんびり暮らしながら、塾にも行かず、予備校にも行かせていない。わずかな時間のみを学習や読書に回し、高校2年の終わりまで部活に明け暮れる。それでも超難関大学に合格する子たちもたくさんいます。両者の違いは何なのでしょうか。
行き着いたその答えが、地頭力だったのです。
「ミニマリズム」によって地頭力が培われる?
地頭力のデザインの根底にあるのは「ミニマリズム」です。増やすのではなく減らす。良さそうなものに飛びついて、ついついやることが増えてしまい、その結果、親も子もがんじがらめになっているのではないでしょうか。そんな親子たちを、情報の波、迫りくるTo Doリストから解放したい。そして、どんな親にも、子どもと向き合いながらゆっくり時間を過ごし、どんな子にも、子どもらしい本来の姿を取り戻してもらいたいと思うのです。
肩に入っていた力を抜いて、子どもが持つ本当の能力、認知力、非認知力、メタ認知力を眺めながら、急がず慌てず、じっくりと毎日を過ごしてください。地頭力に注目するだけ。それだけで親も子どもも時間に余裕ができ、心に余裕ができ、穏やかに日々を過ごすことができます。そうしているうちに、子どもは自然と賢い子に育ってしまうのです。
船津 洋
株式会社児童英語研究所
代表取締役所長