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他人事ではない高齢者の孤立
内閣府『令和5年版高齢社会白書』によると、60歳以上の人のうち「親しい友人はいない」と回答した人の割合は6.5%。また、日頃の近所付き合いの程度について尋ねた調査では、「あいさつをする程度」が最も多く43.1%、「つきあいはほとんどない」が21.6%となっており、合わせると6割以上が、近隣住民と深い交流を持っていないことがわかります。
現役時代の社会的地位や人間関係が、必ずしも老後の生活の支えになるとは限りません。大輔さんの伯父、昭さんのケースのように、かつての人間関係が時間とともに希薄化していくことは、誰にでも起こりうることです。
高齢者の孤立化は、孤立死リスクを高めます。2024年、警察が取り扱った1人暮らしで自宅で亡くなった人は全国で約7.6万人で、そのうち65歳以上は約5.8万人。さらに死後8日以上経過して発見され、生前社会的に孤立していたと推測される「孤立死」は約2.1万人でした。
老後の孤立を防ぐためには、意識的に社会との接点を持つ努力が不可欠です。地域の趣味のサークルやボランティア活動に参加する、習い事を始めるなど、退職後も新しいコミュニティに身を置くことが有効でしょう。家族や親戚とのコミュニケーションを大切にすることも、もちろん重要です。
[参考資料]
内閣府『令和5年版高齢社会白書』、『「孤独死・孤立死」の実態把握に関するワーキンググループ資料』