「史上最低金利」の時代にマイホームの夢を叶えた人々。その多くが、最も返済額の低い変動金利を選びました。しかし、金利が上昇する今、その選択がライフプランそのものを脅かすリスクに変わりつつあります。本記事ではAさんの事例とともに、金利上昇時代の住宅ローンについて、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。
また、銀行から通知が来た…「変動金利」を選んだ年収1,000万円・40代夫婦の後悔。住宅ローン「1,000万円利息増」までのカウントダウン【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

老後にどれだけ住宅ローンが残るのか?

総返済額でも比較してみましょう。もし、契約当初の金利0.525%がローン完済まで続いていた場合は、

 

総返済額:4,379万6,208円 

利息合計: 379万6,208円

 

でした。しかし、前述の金利上昇のシミュレーションによれば、

 

総返済額:5,380万1,322円 

利息合計:1,380万1,322円

 

となります。利息負担の差はなんと1,000万円以上。なお、この試算は2%以上の上昇は考えていない結果です。さらにその後も上昇が続くとなると、返済額も利息の負担も増えていくことになります。

 

さらに金利が上昇すると、老後のローン残高も増えてきます。Aさんが65歳時のローン残高を確認すると、もし、契約当初の金利0.525%がローン完済まで続いていた場合は、

 

65歳時のローン残高:1,218万7,709円

 

でした。しかし、前述の金利上昇のシミュレーションによれば、

 

65歳時のローン残高:1,464万4,508円

 

と、増えてきます。定年後まで住宅ローンが残る人は、老後資金設計とあわせて考えていく必要があります。住宅ローンは、生涯設計です。是非、将来の変化を数字で確認しておきましょう。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表