(※画像はイメージです/PIXTA)

現役時代に所得が高く、さらに支出も多い場合、老後に生活水準を落とすことができず、家計が苦しくなってしまう方も少なくありません。そんな「老後破産の危機」はどのように回避すれば良いのでしょうか。牧野FP事務所の牧野寿和CFPが、事例を交えて解説します。

A家の家計の見直し

Aさんが作成したチェックリストを拝見したところ、年金と夫婦のバイト代で月額約42万円の収入があるにもかかわらず、支出が多く、貯蓄する資金は残っていません。現役時代高収入だった会社員にありがちな家計です。

 

そこで筆者は、保障内容が過剰な保険商品や携帯の料金プラン、電気のアンペア数、定額使用料(サブスク)の契約の見直しといった「固定費の削減」を最優先で進める提案を行いました。

 

加えて、高級店での外食の回数を減らす、維持費が高額な高級車を売却するなど、支出額を毎月の年金受給額まで減らすよう伝えました。残りの収入は、今後夫婦が介護や看護費用が必要になった時のために、貯蓄に回します。

 

Aさんは筆者の提案に対して「いきなりそんなことができるだろうか…」と不安そうでしたが、まずは固定費の削減からでも着手するように伝えると、「そうですね、まずはひとつずつ、できることからやっていきます」と決心した様子で帰っていきました。

 

おわりに

給与や年金の収入額は確認しても、毎月の支出額を正確に把握できている人は驚くほどに少ないです。また気付いたときには、年金収入だけでは家計を立て直すことが困難な状態になっていた、ということもあります。

 

よって、老後の準備はまず固定費を見直すなどなどしながら、生活水準を慣らすところからはじめてみることをおすすめします。

 

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

 

 

牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員

 

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本記事は、株式会社セゾンファンデックスが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。