年齢とともに増えなくなったバイト収入

年金と企業年金の毎月29万円では生活が成り立たないと悟ったAさんは、まずは収入を増やすべくバイトを探し、月7~8万円の収入を確保したそうです。
出産後は専業主婦だった妻も、Aさんがバイトをはじめたと同時に、学生時代に取得した司書の資格を生かして近くの図書館でバイトをはじめました。
しかし、Aさんが70歳を過ぎたころから、老いもあってなかなか思うように体が動きません。一緒に働く同僚にも迷惑をかけることが増え、申し訳なくなったAさんはバイトを辞める決断をしました。そのようななか、今後の生活が心配になり、筆者のところに相談にみえたのでした。
筆者はAさんに、年単位のチェックリストを送り記入して持参してもらいました。
このチェックリストは、家庭ごとにカスタマイズすることも少なくありません。現在と将来に向けて、年に1度は記入して家計と資産を確認するのに使います。
まず1.収入は、給与や年金、バイト代など家計の年間収入を記入します。
続いて2.支出は、家計の年間支出額を記入します。家計調査の10大費目別の「食料」「住居」「光熱・水道」「家具・家事用品」「被服及び履物」「保健医療」「保健医療」「交通・通信」「教育」「教養娯楽」「その他の消費支出」を算出して、支出の見直しに利用してもよいでしょう。
3.資産額は、貯蓄額に加えて、自宅(不動産)や株式・投資信託、保険商品といった資産の価格を、時価で記入します。
4.負債額は、住宅ローンやカーローン、奨学金など、借入額と返済計画を記入します。
5.今後の収入予定~10.老後の家計(収入と支出)は、新NISAやiDeCoを利用した資産形成や公的年金の繰下げ受給額、遺族年金の受給額、生前贈与を含めた自身の相続といった、今後の予定や計画を具体的な数値で記入します。


