〈本記事の登場人物〉

■山口 真理子さん(45歳・女性)

40代半ば過ぎの独身看護師。仕事の忙しさやストレスからくる不摂生な生活がたたり、体重は増加。疲れやすさや体の重さを感じて検査を受けたところ、肥満・肝機能障害・高血圧を指摘されてしまい、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善を専門とする『スマート外来』を受診することに。一人暮らしの母の将来を案じ、健康な体を取り戻そうと決意するが……

アルコールと糖質の同時摂取はNG

「ちょっと視点を変えましょう。ストレスのことはいったん忘れて。お酒はどうですか? どんな頻度で、どのくらいの量を飲まれますか?」

「昔はたまに友人と飲みに行っていましたが、最近は外で飲むことはないんです。夜勤明けで帰ってきて朝眠ることになると、夜に寝付けなくなってしまうのでそんなときに飲んだり、あとは休日ですね。週に2~3回というところでしょうか」

「どんなお酒を?」

「アルコール度数が高めな缶酎ハイ、えっと、50mlのものを1本くらいでしょうか。お菓子に比べたら、お酒はなくても大丈夫です」

「お菓子も、お酒も」というのでは先生にあきれられてしまうような気がして、この期(ご)に及んで優等生になろうとしている自分に気づき苦笑いした。

「真理子さんはまじめな人だから、常に気を張っているのかな」

O先生は電子カルテに記録しながら、つぶやくように言う。

「えっ、ああ……。仕事ではそうかもしれません。お酒を飲むと緊張がほぐれるような気がしますし、眠れないというのもストレスになるので」

「お酒の量はそれほど多くないんですね。あと、毎日でもない、と」

「はい。食事と一緒に必ず飲むというわけでもないんです」