「妻が年上の夫婦」は、いまや決して珍しくありません。女性のほうが平均寿命が長いことを踏まえれば、一見、理想的な組み合わせにも思えます。しかし、その年の差が、夫婦のマネープランに思わぬ「落とし穴」を生むことも。
妻42歳・専業主婦、夫32歳・年収500万円の公務員「年の差婚夫婦」の現実…息子の幼稚園で園長先生から告げられた「残酷なひと言」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「一生賃貸でいこう」

「私のせいで、あなたの人生の選択肢を狭めてしまったかもしれない……」

 

ユウコさんは、自分の年齢が夫の足かせになっているような罪悪感に苛まれました。しかし、そんな妻の様子をみて、アキトさんは優しくいいました。

 

「家族で一緒にいることのほうが大切だよ。家は、一生賃貸でいこう」

 

持ち家は諦めても、その分、子どもたちの教育にお金をかけることはできます。夫婦は、住環境よりも教育を優先することにしたのです。

「年の差婚」のマネープラン

家計の面では、デメリットが際立ちやすい「年の差婚」。後悔しないためには、以下の点を冷静に考慮する必要があります。

 

・子供を持つ場合は夫婦の年齢差によって教育費のタイミングが苦しくなること

 

・夫婦のどちらかが早く定年退職してしまうため、そのあとに住宅ローンを返済していくことが困難になりやすいこと

 

・妻が年上の場合、老齢年金における加給年金が支払われないこと

 

・夫婦のどちらかが早くに無収入となるため、結婚前の貯蓄額が極めて重要であること

 

一般的に年の差婚は結婚前の貯蓄額が大きくなければ、住宅を購入することは難しいといえるでしょう。必要な貯蓄額は家族構成と収入によって異なるため、慎重に検討する必要があります。もちろん、年の差婚には、年上パートナーの精神的な成熟度や経験といった、お金には代えがたいメリットも多くあります。大切なのは、金銭的な面も、感情的な面も、冷静に話し合ったうえで、幸福な家庭を築いていくことです。