(※画像はイメージです/PIXTA)
ミニマリストとしての生活
Aさんは引っ越しを機に、持ち物の大半を捨てました。冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ、私有パソコン、プリンター、タブレット端末をすべて手放し、私用のパソコン、プリンター、タブレット端末も処分。さらには、インターネットのプロバイダ契約も解約しました。
身の回りの物も同様に整理し、服も一度すべて手放したうえで、同じ服を上下三着だけ購入。靴はスニーカー1足のみとし、ベッドも処分して、マットレスを敷いて寝るスタイルに変えています。駅の近くに越したことで、自転車もリサイクルショップへ。生命保険も不要と考え、すべて解約しました。
キッチン周りも例外ではなく、食器類は大きな皿とスープ皿、箸、スプーン、フォーク、小鍋を、それぞれ一つずつしか持っていません。冷蔵庫がないため、そもそも長期保存が必要な食材は持たず、調味料もごくわずか。そのため、保存容器の類も一切ないという、徹底した暮らしぶりです。
当時付き合っていた恋人にその様子をみせたところ、「いつでも夜逃げできるようにしているの?(笑)」とからかわれてしまいました。
Aさんはいいます。
「冷蔵庫はなくても、近所の24時間営業しているスーパーが冷蔵庫代わりだから不要。洗濯機はコインランドリーがあるし、電子レンジはそもそも使わない、印刷はしないのでプリンターも不要、スマホが一台あれば私用はすべて済む。服は同じものを着まわせば、どれかを洗濯していてもコーディネートに困らない」
Aさんはこの生活を「自由な暮らし」と考えていました。リモートワーカーになったことで、苦手だった服のコーディネートに毎朝悩まなくて済み、家電の買い替えや冷蔵庫の中の棚卸も不要です。
モノを持たなくなったことで支出は激減。特に光熱費が下がりました。収入の残りはほぼ貯蓄に回し、将来に備えています。目標はFIRE。これもコロナ禍時代に覚えた言葉のひとつです。50歳で仕事を辞めて沖縄に移住し、資産の運用益だけで生活したいという夢ができました。