クレーム応対では心無い言葉や暴言を浴びせたり、客観性ゼロの主張を続けたりするお客様に出くわすこともしばしば。その都度冷静さを失わず、適切に対処するには、対応する側の心構えも重要です。本記事では、尾形圭子氏の著書『ソツのない受け答えからクレーム対応まで[新版] 一生使える「電話のマナー」』(大和出版)より、電話によるクレーム応対時のコツを紹介します。
クレーマー「ばかやろう!」…コールセンターの新人、慣れない罵詈雑言に心がポッキリ。逆に、〈まったく気にしない人〉が電話中に考えていること【マナー講師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

お客様の「感性」が発端の場合は「ていねいにお詫びする」一択

〈基本〉

【店員の接客態度に対するクレーム】

「さようでございますか。たいへん申し訳ございません」

※事実確認ができないので、全面的なお詫びをする

 

【商品イメージと実物のギャップに対するクレーム】

「さようでございますか。カタログにはお届けした商品の写真を掲載しておりますが、たしかに色合いが違っているようにも感じます。ご迷惑をおかけいたしまして、たいへん申し訳ございません」

※お客様の感性を否定せず、返品などに応じるかどうかを検討する

 

クレームの原因は、主に「商品」「サービス」「人」にありますが、なかでも接遇に関するクレームは際立って多くなっています。

 

「昨日、お店に行ったんだけれど、店員さんの態度がなっていない!」

 

こうしたクレームで注意しなければならないのは、水掛け論にならないことです。店員の態度が本当に悪かったのかどうか、電話を受けた人にはわかりません。同じ会社の仲間としては「そんなはずはない」と、かばいたくなるかもしれませんが、「さようでございますか。たいへん申し訳ございません」と、全面的なお詫びをします。

 

また、商品カタログを見て商品を注文したお客様から、「写真のイメージと全然違う!」といったクレームが寄せられることもあります。このケースも、お客様の主観によるものですが、その感性を否定することはできません。「さようでございますか。カタログにはお届けした商品の写真を掲載しておりますが、たしかに色合いが違っているようにも感じます。ご迷惑をおかけいたしまして、たいへん申し訳ございません」などとお詫びします。

 

●重要なのは「事実」ではなく、「感性」の問題であることも多い

 

 

尾形 圭子

株式会社ヒューマンディスカバリー 代表取締役