なんとかクレームを収めたと思っても、少しのきっかけでお客様の怒りが再燃してしまう場合があります。マニュアルに準じて対処したものの、クレーム対応時には「NGワード」となる表現も。尾形圭子氏の著書『ソツのない受け答えからクレーム対応まで[新版] 一生使える「電話のマナー」』(大和出版)より、クレーム対応時の言葉遣いについて解説します。
余計な一言だったとは…クレーム客の怒りが再燃してしまう、意外な〈NGワード〉【マナー講師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

お客様の怒りを再燃させる「NG表現」

〈基本〉

※会社の都合を一方的に押しつけるような表現

×「基本的に」

×「原則として」

×「会社の規定で」

×「事務処理上」

 

※価値観を押しつけているように感じさせる表現

×「絶対に」

×「ふつうは」

×「一般的に」

 

※あいまいな表現

×「おそらく」

×「一応」

×「たぶん」

×「とりあえず」

×「させていただこうと思います」

 

不用意な一言でお客様の怒りが再燃することがあります。代表的なのが、「上から目線」の印象を与える言葉です。たとえば、「商品の送料については、なにも説明を受けていなかった!」とクレームを申し立てるお客様に対して、「基本的に、送料はお客様のご負担とさせていただいております」と答えるケース。

 

この言い方には、会社の都合を一方的に押しつけている印象があります。類似した表現としては、「原則として」「会社の規定で」「事務処理上」などがあります。また、「絶対に」「ふつうは」「一般的に」なども、こちらの価値観を押しつけているように感じさせるので、つかわないようにします。

 

会社規定を伝えるときは、「皆様に同じようにお願いしております」が有効です。

 

さらに、あいまいな表現をつかうのも、責任逃れの印象を与えかねないので、つかわないようにします。「おそらく」「一応」「たぶん」「とりあえず」などは状況把握をしたり、説明・提案したりする際に口からもれやすい言葉なので注意が必要です。

 

「〜させていただこうと思います」という表現も同様です。これは、「させていただきます」ときっぱり言い切るべきです。

 

●「上から目線」「逃げ腰な態度」が言葉にあらわれる