お客様の不満と直に接する電話でのクレーム応対では、内容を把握しながらお客様の感情を受け止めることが重要です。電話越しとはいえ、事務的な対応や早期解決を優先しようとすれば見透かされ、かえって火に油を注ぐことも。尾形圭子氏の著書『ソツのない受け答えからクレーム対応まで[新版] 一生使える「電話のマナー」』(大和出版)より、クレーム応対時に使える電話マナーを解説します。
お客様の怒りを“一瞬で”鎮める…「大変申し訳ありません」の直後に続く〈ひと言〉【マナー講師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「たらい回しにされ逆ギレ」を防ぐための鉄則

〈基本〉

電話の転送は「1回だけ」にする

※保留時間は30秒以内

 

〈応用〉

折り返し電話で対応する

※転送すべき担当者がはっきりしない場合

【例】「ご不便をおかけいたしまして、たいへん申し訳ございません。それではすぐに、関係部署にも確認いたしますので、恐れ入りますが、お時間を30分程度いただけませんでしょうか? 私、〇〇と申しますが、折り返しのお電話は、担当者から直接ご連絡させていただきます」

 

クレーム電話を受けた人が、担当者(部署)に電話を転送するケースもあります。その際、決して「たらい回し」にしないことです。

 

まず、電話の転送は「1回だけ」と心得ておくことが大切です。これは、電話をかけてきた人の気持ちを考えれば当然です。

 

ところが、「転送すべき担当者(部署)がはっきりしない場合は、どうすればいいのか?」という疑問をもつ人もいるでしょう。その答えは、折り返し電話による対応です。折り返し電話なら、担当者の確認をしっかりしたうえで、電話を回すことができます。その際、電話を受けた人は自分の名前を必ず名乗り、折り返しの電話は担当者から直接ご連絡する旨を伝えましょう。できれば、担当者名も伝えることで、お客様の安心感はグッと増します。

 

また、ほかの部署から転送されてきた電話に出るときも、仮に自分が担当する内容でなくても、同様の対応をしなければなりません。「ここではありません」は禁句です。 

 

なお、電話の「保留時間は30秒以内」という原則も守ってください。

 

●たらい回しは、お客様を軽視している証拠。完全にアウト!

 

 

尾形 圭子

株式会社ヒューマンディスカバリー 代表取締役