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「とりあえず投資」の落とし穴
橋本さん夫婦は、すべてを失ったわけではありませんでした。しかし、その後の暮らしは悲しいものでした。多額の損失を埋め合わせようと、日々の生活を切り詰めるようになったそうです。夫婦関係は修復できなくなってしまったのです。
「いままで、恵まれすぎていたんですね……」俊さんが零しました。
1,600万円という高収入は、橋本さん夫婦の無計画な行動を正当化する根拠にはなりません。むしろ高収入であるという自信が、投資のリスクに対する感覚を麻痺させてしまったのでしょう。
「とりあえず投資」は危険です。投資の目的や目標額を明確にして、計画的に行いましょう。生活を守るための資金を確保したうえで、投資は、当面使う予定のない余裕資金で行うのが基本です。また、自己責任のもとに行い、周囲の人の意見や情報を鵜呑みにせず、自分で判断する力を養うことが大切です。
お金があるからこそ陥る落とし穴に気づき、賢く計画的に資産形成を進めることこそが、未来を守る唯一の方法ではないでしょうか。
〈参考〉
金融庁 安定的な資産形成に向けた金融事業者の取り組み状況 P5
https://www.fsa.go.jp/news/r2/kokyakuhoni/202102/20210226_kpi_kohyo.pdf
藤原 洋子
FP dream
代表FP