医学部英語で必須の応用力を身につけるには?合格に直結する5つのステップ【カリスマ講師が解説】

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可児 良友
医学部英語で必須の応用力を身につけるには?合格に直結する5つのステップ【カリスマ講師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

基礎固めで学習習慣が定着すれば、英語力は着実に伸び、多少難しい長文でも読み切れるようになります。しかし、医学部入試レベルの英語に対応するためには、それだけでは不十分。語彙の広がりや文法知識の精度、速読力や背景知識、さらには答案を作成する力まで、より高い次元の思考力と応用力が必要です。医系専門予備校メディカルラボのカリスマ講師・可児良友氏の著書『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)から、医学部英語攻略のための5つのステップを具体的に紹介します。

応用力を身につける勉強方法(英語編)

基礎固めの学習習慣が身について軌道に乗ってくれば、着実に英語力がアップし、少々読み応えのある長文を読んでも挫折することなく読み通せるようになってきます。しかし、医学部入試レベルの英語に対応するためには、さらなる思考力や応用力の育成が必要になります。

Step1 活用範囲の広い単語集を使う

英単語については、基礎固めを続ける中で、共通テストに対応できる程度の語彙力はつきます。ここまでの英単語学習は、中心となる意味、品詞、発音・アクセントを覚える学習でしたが、ここからは、周辺の意味、派生語、同義語、反意語なども意識して覚えていきましょう。

 

初期段階は情報量の少ないシンプルな単語集がお薦めですが、応用段階ではもっと活用範囲の広い単語集を使ってはどうでしょうか。

 

例えば、『システム英単語』(駿台文庫)は「ミニマルフレーズ」を売りにしていて、一例としてvividという英単語を覚えるために、have vivid memoriesというミニマルフレーズを掲載しています。これによりvividとmemoryという単語のコロケーション(よく使用される単語と単語のつながり)を理解でき、英作文などでも活用できます。また、『DUO 3.0』(アイシーピー)という単語集は、派生語、同義語、反意語などの情報が充実しています。1つの単語を、広がりを持って覚えられ、私立大医学部でよく出題される同義語選択問題にも強くなります。

 

この段階になれば当然ですが、接頭辞、接尾辞、語幹もできるだけ意識して効率良く語彙力を強化していきましょう。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

Step2 総合的な英文法・語法問題に取り組む

単元ごとの英文法問題の習得が終われば、単元別ではない総合的な英文法・語法問題に取り組み、思考力や応用力を鍛えていきましょう。単元の枠を取り払った問題集の代表的なものには『英文法ファイナル問題集』 (桐原書店)や『ランダム総点検 英文法・語法最終チェック問題集』 (旺文社)などがあります。

 

英文法・語法問題の応用レベルでつまずく原因は以下の2つです。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

最初のうちは正答率が上がらなくて当然なので、気にしないでください。それよりも、間違えた問題からしっかり学んでいきましょう。解けなかった原因をはっきりさせ、自分が見逃していたポイント、習得できていなかった知識を確認し、次に類題に出会うときに備えてください。このような演習を続けていけば、徐々にポイントを見抜く力を養えるとともに、細かい文法知識や例外、出題率の低い語法、イディオムなどの知識も強化できます。

Step3 英文読解力を磨く

長文読解の勉強を続け、「精読」レベルから「速読」レベルに実力が上がってくると、待ちかまえているのが、「日本語訳はできるのに、文章内容がわからない」という壁です。

 

英語の長文を読解するという作業は、単に英単語やイディオム、英文法や語法の知識だけでできるものではありません。難度が上がってくると、難解な日本語の文章を読む場合と同じ問題が生じます。書かれている文章内容に対し、背景知識を持たないが故に、内容がまったく入ってこないという問題です。馴染みのない話題、興味のない話題、抽象的な内容、比喩の多用された文章、行間を自分自身で埋めながら読まなくてはならないような英文など、自分の言語能力を超えた英文を理解することは困難です。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

このような壁にぶつかったら、遠回りに思うかもしれませんが、いろいろな文章に触れて背景知識を増やしながら読解力を磨いてください。

 

例えば、英語長文でよく扱われる題材について、経済・環境・医療・心理学などのテーマに親しむという視点で書かれた『話題別英単語 リンガメタリカ』 (Z会)などを活用してみてください。英文を読む時間がなければ、解説や日本語訳部分を読むだけでも勉強になります。また、医学は自然科学の一分野なので、医学部入試では自然科学系の論文や、ずばり医療に関する長文などもよく出題されます。『改訂第2版 最新 医歯薬系入試によくでる英単語600』(KADOKAWA)などに加えて、『Science』や『Nature』などの科学誌を英語で読むことで、背景知識も英語力も身につきます。

 

また、医療系の長文ばかりを集めた長文問題集も出版されていますから、コツコツと背景知識を増やしてください。

 

Step4 答案作成力をつける

入試問題で合格点を取るためには、英語力(読む、書く)を磨くだけでなく、出題に対する答えを早く適切に作成する練習も必要です。読解した英文や資料の中から、

など答案作成に必要な力をつけることを意識して練習をしましょう。こうした練習は、2025年度入試から始まった新課程での共通テストの英語の対策としても重要です。

 

英文和訳、英作文や内容説明・要約などの論述・記述式の答案作成の対策は、先生による添削指導が有効です。

 

「自然な日本語になるように和訳しなさい」、「自然な英語(ネイティブが使うような)で表現しなさい」と言われても、受験生自身にその判断はできません。通信添削の活用も良いですが、できれば高校や塾・予備校の先生を頼って添削してもらうのが得策です。特にメディカルラボのマンツーマン授業であれば、医学部入試を熟知したプロ講師の添削指導が受けられるのでお勧めです。なぜなら、通信添削の課題は必ずしも受験する大学の出題に合う、というわけではありません。

 

一方でメディカルラボであれば、受験する大学の出題に合わせた問題演習ができ、添削だけでなく直接アドバイスをもらえるメリットがあるからです。また、同じ問題に対する添削を何度も繰り返すことで、得点につながる答案を作成する精度を上げられます。どうしても自分だけで進めざるを得ない場合は、入試レベルの実践的な問題集を用いて、自分の書いた和訳・英訳と模範解答として掲載されている和訳・英訳を見比べて、習得すべき内容を把握しましょう。

Step5 過去問演習に取り組む

同じ英単語でも文脈によっては単語集に記載のない訳され方をしているかもしれません。「過去時制だ!」と自信を持って書いた英作文の模範解答が「現在完了時制」になっているかもしれません。そういった細かい部分を随時修正して、レベルアップを図りましょう。また、英語長文を読む際に、「この表現は英作文で使えそうだな」、「この単語はこんな意味もあるのか」など、意識的に和訳・英訳に生かせる知識を増やしていきましょう。

 

すでに明確な志望大学があるのであれば、遅くとも夏くらいに一度、実際の試験時間に合わせて過去問を解いてみます。そのときの自分の実力から、「合格するには何を鍛えなければならないのか」を冷静に分析します。すると、「語彙力が必要だ」 、「英文法・語法の知識を強化しなければ」 、「イディオムの勉強が足りない」、「長文を読むスピードを上げないと間に合わない」など、それぞれ課題が見つかるはずです。明確な志望大学が決まっていなくても、ここは受験するだろうという大学が数校はあるはずなので、2~3校ピックアップして過去問を解いておくと良いでしょう。秋になり、模試の結果が続々と出揃う頃には具体的な受験大学が決まってくるはずです。

 

英語は大学ごとに問題形式に違いがあるため、できるだけ効率良く対策したいものです。例えば、私立大の医学部10校を受験するとして、マークシート式の大学8校、記述式2校であれば、和訳や英作文の力を鍛えるよりも、速読のスピードを鍛える演習が必要です。また、マークシート式の8大学中、整序英作文は8大学すべてに出題され、下線部誤り指摘問題が2大学しか出題されていないのであれば、整序英作文の対策に力を入れるべきです。

 

過去問を活用する意義は、①志望大学の出題傾向を把握する、②自分の課題点を洗い出す、以外にも2つあります。

 

1つ目は決められた試験時間内にいかに効率良く点数を稼いでいくかの練習です。しっかり時間を計って問題演習に取り組み、効率良く点数を取るための解答順序などを工夫してください。500語程度までの英語長文であれば、一気に本文を読んでから内容一致問題に取り組んでも全体の内容が把握できるかもしれませんが、1,000語を超えるような英語長文であれば、段落ごとに設問を解くなどの工夫をしないと効率が悪くなります。

 

2つ目は、実際の入試問題のレベルに慣れる練習です。市販の問題集に掲載される問題は、効率良く学習できるように問題が厳選されています。一方、実際の入試問題は、解答しやすい問題ばかりではありません。内容一致問題で非常に紛らわしい選択肢が含まれていたり、複数の項目が絡んだ文法問題が出題されていたりと、これまでに経験したことのないものも出題されます。インプットした知識を自由自在に使いこなすためには十分にアウトプットして、ポイントを見抜く目を養う必要があります。

 

過去問演習でもそのような目を養うことを意識してください。加えて、大学によっては英語長文の内容や設問に特徴があり、複数年度の過去問を演習することで対応力や得点力を上げられるケースがあります。過去問を使った演習に入ってからも、常に使い慣れたテキストに戻って理解を深めたり、知識を補ったりといった地道な学習も続け、それらの理解・知識の集合体である入試本番の問題に対応できる力を養ってください。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

可児 良友

医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括