(※写真はイメージです/PIXTA)
結婚前に貯金が減る事態
安藤ケイさん(仮名/28歳)は、大手食品メーカーに勤める総合職。仕事は順調、来年にはマッチングアプリで出会った3歳年上の彼との結婚も決まっています。しかし、彼女には誰にもいえない悩みがありました。
「貯金が、毎月少しずつ減っている……」
ケイさんの手取りは月26万円(賞与別)。堅実な性格で、贅沢はしていません。デート代は彼が多めに出してくれますし、学生時代のように、海外旅行に行くこともなくなりました。それなのに、数年前に300万円あったはずの貯金は、気づけば150万円にまで半減していたのです。
このままでは、結婚生活に支障が出てしまう。焦ったケイさんは、謎を解明するため、スマホに家計簿アプリをダウンロード。銀行口座やクレジットカードを連携させ、お金の流れを“見える化”してみることに……。
グラフに映し出されたのは、毎月、給料日直後に決まって引き落とされる7万円前後の不自然な支出。明細には「ガイカダテホケン」とだけ記されていました。
続けるは地獄。辞めるのも地獄
その保険を契約したのは、2年前のことでした。勧めてきたのは、外資系生命保険会社に勤める、いまの婚約者である彼だったのです。
「これは、僕たちの将来のためのお守りだから」「ただの貯金より、ずっと賢い選択だよ」当時、まだ付き合いはじめだったケイさんは、彼のプロフェッショナルな姿と、将来を真剣に考えてくれる誠実さに心を打たれ、いわれるがまま、サインをしました。それが、為替によって保険料が変動する月の支払額が高額な「外貨建て終身保険」だとは深く理解しないまま……。
ケイさんは、慌ててその保険についてインターネットで調べはじめます。そして、さらに残酷な事実に直面しました。この種の保険は、早期解約すると、支払った保険料がほとんど戻ってこないのです。ケイさんは、この2年間ですでに約168万円(7万円×24ヵ月)もの大金を支払っていました。しかし、いますぐ解約した場合に戻ってくるお金は、わずか20万円程度。実に、140万円以上ものお金が消えてしまう計算でした。