医学部入試は応用力が合否を分ける!応用問題を解くときに必須の2つの知識とは?【カリスマ講師が解説】

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可児 良友
医学部入試は応用力が合否を分ける!応用問題を解くときに必須の2つの知識とは?【カリスマ講師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

医学部入試では、難度の高い応用問題の出来が合否を左右します。応用問題は基礎知識の組み合わせによって解けるように作られていますが、実際に得点を取るためには「基礎知識」に加えて、それを活かす「補助知識」も必要となります。本稿では、特に英語の自由英作文を題材に、補助知識の重要性と具体的な習得方法を提示し、受験生が応用力を身につけるための道筋を示します。医系専門予備校メディカルラボのカリスマ講師・可児良友氏の著書『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)から、一部を抜粋して紹介します。

応用とは基礎の組み合わせであり、積み重ねである

医学部入試では難度の高い応用問題の出来が合否を分けます。では、応用問題を自力で確実に解けるようにするためにはどのような勉強をする必要があるのでしょう。

 

「応用力」とは出題に『応』じて、基礎知識や公式、基本的な解法・定理などを『用』いて解く『力』であると言い換えることができます。つまり、応用問題というものは基礎知識や基本的解法を組み合わせれば解けるように作成されています。

 

ですから、応用問題を解くときに使用する武器(①基礎知識)はすぐに使えるように常にメンテナンスしておく必要があり、応用問題を解く時期でも、苦手な単元などは基本的な問題集で繰り返し復習し直すことも大事です。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

さて、応用問題を解くためには①基礎知識の他に②補助知識も必要な場合があります。『補助知識』とは問題を解くときに『基礎知識』を生かすための知識といえます。では、具体的に『補助知識』とはどんなものでしょう。

 

ここでは2024年度の産業医科大学の自由英作文を例に挙げて『補助知識』の説明をします。

 

産業医科大学 2024年度一般選抜 英語 大問4

世界中で広がる貧富の格差について、国際社会はどのように取り組むべきだと考えますか。あなたの考えを100語程度の英語で書きなさい。

 

このような自由英作文の問題に取り組むとき、何から始めるべきか瞬時に判断することができるでしょうか。入試に向けての学習が浅い受験生の解き方を見ていると、全体構成を考えずに頭に浮かんだ日本語をそのまま英語に変換して書き始めることが多いように感じます。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

しかし、無理やり英語に直したもので書き進めても、次に何を書いたら良いかわからなくなったり、文のつながりが不自然になったりして、表現したいことがあっても何を伝えたいのかわからない文章となってしまいます。

 

文法的な誤りだけでなく、内容に一貫性のないものは大きく減点対象になってしまうため、せっかく文章を書いても点数が取れないということが起こります。

 

そうならないためにも自由英作文で必要な知識を理解し、身につけておくことが重要です。それらは大きく以下の4つが挙げられます。

 

●語彙力 ●文法力 ●構文力 ●文章構成力

 

語彙力や文法力、構文力については、『基礎知識』の範疇として、一般的な英単語・熟語集や英文法・語法のテキストを用いて学ぶことで習得できます。しかし、文章構成力については、 『基礎知識』を上手く活用するための『補助知識』を獲得しておく必要があります。

 

まずは文章構成力を養うための補助知識として、自由英作文にはどのようなタイプがあるのか、どのような構成があるのかを知っておきましょう。自由英作文には大きく分けて5つのタイプがあります。

 

・賛否型 ・提案型 ・自己PR型 ・仮定型 ・資料活用型

 

そして、どのタイプでもそれぞれ論理構成のルールに沿って書くことで、読み手に理解される論理的な英文となります。

 

論理的な英文の構成

序論=文章全体のトピック+主張

本論=主張を裏付ける根拠(理由、例、説明)

結論=再主張

 

また、序論:本論:結論の分量比は「序論:本論:結論=2:7:1」が目安となります。

 

そして、比率の多い本論の中では、抽象的→具体的に文を展開していくことで、より読みやすい文章となります。

 

これは英作文の解答を作成する上では必ず押さえておきたい『補助知識』です。この『補助知識』を活用して、先ほどの産業医科大学の問題には次のようにアプローチすることができます。

 

まず、例題の産業医科大学の問題は5つのタイプの中の「提案型」に当てはまります。

 

「提案型」の英文構成、それぞれの書き方のポイントは以下の通りです。

 

序論… 提案の主題や目的をはっきりさせ、採点者に提案の重要性を理解させる。

本論…提案の具体的なステップや解決策を提示する。

結論… 提案の重要性を再確認し、提案の実現による効果や利益を繰り返し述べる。

 

この論理構成の型に頭の中で考えた内容を当てはめることで、解答を整理していきます。

 

序論… 貧富の格差は深刻な国際的問題=社会の不安定を引き起こし、持続可能な発展を妨げる→解決するためには国際的な協力が必要

本論…具体的には、

① 先進国は開発途上国への財政支援、教育の改善、技術の共有を通じて支援すべき。
② 国際機関は公平な貿易ルールを確立し、平等な機会を促進する役割を担うべき。→ 成功事例の共有や協力の推進が各国の格差解消に役立つ。

結論… 格差を減らし、より公正な世界をつくるためには、国際的な取り組みが不可欠。各国が協力することで、経済的安定を実現し、すべての人々の生活水準を向上させることができる。

 

文章の構成がまとまったところで、単語・熟語・文法・構文など今まで培ってきた 『基礎知識』 を用いて英文に変換していきます。

 

(序論) The gap between the rich and the poor is a serious global problem. It causes social instability and prevents sustainable development. To solve this issue, international cooperation is necessary.

(本論) Developed countries should support developing nations by giving financial aid, improving education, and sharing technology.
Global organizations must establish fair trade rules and promote equal opportunities. Additionaly, sharing good examples and working together can also help reduce the gap between nations.

(結論) Global efforts are essential to reduce the inequality and create a fairer world. By cooperating, nations can achieve economic stability and improve living standards for everyone.

 

このように自由英作文においても、『補助知識』を使って最初から構成を決めていれば、短時間で解答を作成することができます。

 

英作文の解答作成において、文法や構文などの英語の『基礎知識』がどんなにあったとしても、『補助知識』=「文章の論理構成」を捉えていなければ高得点を取ることはできません。

 

「何」を書くのかは試験本番にならないとわかりませんが、予め英作文の「構成」を知っておくことで、自分なりの「型」を用意し、『どのように書くのか』を対策することができます。

 

また、英作文における『補助知識』は「文章の論理構成」だけではありません。

 

・語彙と文法のバラエティ
∟ 同じ単語や表現を繰り返さず、適切な同義語や同意表現を使用することで、試験官に対して文法や語彙を幅広く使用できることをアピールします。

・時制と人称の一貫性
∟ 混在した時制や人称は読み手を混乱させる可能性があるので、文章全体の時制と人称を一貫させることで、文章を明確で読みやすいものにします。

これらも英作文の解答作成をする上で覚えておきたい 『補助知識』 です。

 

このようなセオリーは各科目にあり、これらを受験用の参考書や予備校などでしっかり身につけておくことも重要です。

 

特に、出題形式別の問題集には、その出題形式の問題を解くのに必要な『補助知識』が載っています。志望大学の出題形式に合わせた問題集で効率良く 『補助知識』 も身につけると良いでしょう。

 

 

可児 良友

医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括