50代は、これまでのキャリアを振り返るなかで、「このままでいいのか?」という迷いや葛藤と向き合う時期でもあります。特に、不本意な人事や収入減といった“転機(=不遇な状況)”を経験した人にとっては、自分の価値を見失い、将来に希望を持てなくなることも。本記事では、竹本和広氏の著書『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)より、50代の転機に対する向き合い方をみていきます。
30年も働いたのに…54歳で降格・給料激減。6年後の定年退職日に花束をもって「現役引退宣言」をする夢、散る。“おわった人”扱いの絶望 (※写真はイメージです/PIXTA)

出向解除・自宅待機・追い出し部屋…通信会社勤続29年、54歳で「懲戒処分」に

不遇な状況を悲観してあきらめるか、なんとか打破して行動するか、結局は自分次第だったと思います。「会社からの評価が自分の評価のすべてではない」ことに気がつけたからです。

 

自業自得で、置かれた状況を受け入れるしかないにもかかわらず、「なぜ、正しいと思っていることをいってはいけないのか」「30年も働いたのに、会社なんて冷たいな」「なぜ、自分だけがこんな目に……」と嘆き、受け入れられない時期がありました。降格になったとき、会社からは「おわった人」と評価された気持ちになり、給料も激減してひどく落ち込みました。以前の給与明細と比較して、お金で評価している自分が情けなかったです。

 

悲観ばかりしているとき、40年来の友人にいわれました。

 

「おまえが降格した話なんか聞きたくない! そこからどうやって這い上がっていくのか、そういう話を聞かせてくれや!」

 

刺さりました……。人生の底で嘆き、悲観ばかりして、自分の人生をあきらめかけていたとき、信頼している友人からいわれて殴られたようでした。友人の言葉をキッカケに、少しずつ前を向いて行動できるようになりました(友人は「そんなこといったか?」と、当時の私にいったことを忘れたようですが……)。

 

行動開始してから時間はかかりましたが、現在の複業という働き方にたどり着き、「まだ私を必要だと評価してくれる人たち」と出会うことができました。まだ、おわっていませんでした。人生あきらめなくてよかったです。すべて複業の世界で出会った人たちです。

 

どうかあなたも不遇な状況を悲観したまま、会社という狭い世界のなかだけで苦しまないでください。私と同じように何十年も同じ会社にいる人は、外に目が向きにくいと思いますが、お勤めの会社以外に知らない会社や知らない世界が多くあります。とくに複業の世界は知らないことばかりでした。

 

知らない世界へ行動したあと、「あなたが必要だと評価してくれる人」に出会えるかもしれません。

 

転機を乗り越えるには時間がかかります。「会社のせい」「誰かのせい」にしていても状況は何も変わりませんでした。

 

「すべて自分次第」

「あきらめずに行動すればなんとかなる」

 

この言葉を転機に苦しむ同志のあなたへ、あらためて贈ります。