人生100年時代のちょうど半分を過ぎた50代は、キャリアの終盤戦に入り、プライベートでも子育てがひと段落するなど、これまでの頑張りが実り、ようやくひと息つける時期。しかし、「体力が落ち、やる気が出ない」「役職定年になり、いままでの居場所を失う」などネガティブな変化も多く、将来への不安が増大しやすい年代でもあります。本記事では、竹本和広氏の著書『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)より、50代で迎える転機について解説します。
お恥ずかしい限りです…勤続29年の通信会社で54歳執行役員が「懲戒処分」、人事システムを見たら〈5階級降格〉の衝撃。どん底で生まれて初めて考えた「意外なこと」 (※写真はイメージです/PIXTA)

50代は、働き方を見直す重要なタイミング

多くの会社員が迎えている50代特有の転機を取り上げます。その理由は、あなたがこれからの働き方を見直す重要なタイミングだと考えるからです。

 

50代は人生の大きな転機となる時期です。仕事・家庭・健康などさまざまな面で変化が訪れます。「ミッドライフクライシス(中年の危機)」という言葉もあります。キャリアの停滞感を覚え、将来への不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

 

仕事面では……

 

「役職定年になり、モチベーションが上がらない」

「降格になり、閑職に甘んじている」

「不本意な人事異動があり、居場所を失った」

「早期退職制度に申し込んだが、仕事探しがうまくいかない」

「リストラがはじまり、会社から理不尽な要求を受けている」

 

生活面では……

 

「親の介護がはじまったけど、会社に相談できない」

「子どもが独立し、新しい働き方に挑戦したいけど自信がない」

「体に変化が出てきて、やる気が起こらない」

 

ほかにも「人事制度が変わり、憂き目にあってしまった」「上司が年下に変わり、人間関係に悩んでいる」といった人たちもまわりにいます。なかには「30年も同じ部署に塩漬け状態で昇格もないから降格もないし、転機すらない」という人もいますが、定年という転機は必ず訪れます。

 

誰にでも訪れる定年という転機を控え、将来に明るいイメージをもてない人たち。不遇な状況で苦しんでいる人たち。こういった50代の人たちが多いと感じています。あなたは現在、どのような状況でしょうか?

 

50代の“転機”が新しい働き方を考えるキッカケに

私が複業という働き方になったのは、転機となる出来事がキッカケです。順風満帆な会社員人生であれば、現在の働き方にはなっていないでしょう。あなたも、転機の渦中で苦しんでいるかもしれません。定年後のセカンドキャリアを模索している人も少なくないと思います。

 

「このまま会社員を続けるべきか……」誰しも1度や2度は考えたことがあるでしょう。私は2019年、転機となった出来事を境に考えはじめました。悩み、苦しみ、葛藤した経験を経て現在に至ります。その経験から学んだことを、転機の渦中で苦しんでいる人たちに向けてお伝えします。

 

「こうしたら転機を乗り越えられます」などとわかったようなことは伝えられません。ですが「どうやって転機を乗り越えたか」「転機から何を学んだか」などについて、転機から5年がたち、ようやく気がついたことをお伝えします。