メディアでさかんに「転職」がうたわれる昨今、「そろそろセカンドキャリアを考えたい」「いまの職場から抜け出したい」と考えているミドル世代も多いのではないでしょうか。とはいえ、長いあいだ周囲の期待に応えるべく懸命に働いてきた50代は、「自分の本当にやりたいこと」がわからないという人も多いはず。54歳のときに執行役員まで務めた通信会社で懲戒処分となり、55歳で無職となった竹本和広氏も、かつて同じ悩みを抱えていました。現在はミドルシニアのキャリア支援に従事する同氏の著書『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)より、「自分の本当にやりたいこと」を見つける“意外なテクニック”を、紹介します。
通信会社の執行役員だったが…まさかの懲戒処分、30年のサラリーマンに終止符。55歳男性が無職になっても「絶対にやりたくない仕事」 (※写真はイメージです/PIXTA)

50代、やりたいことを見つけるには「やりたくない仕事」を書き出す

やりたくない仕事を書き出したところ、自分が大切にしている価値観や信念に気がつきました。あなたも書き出してみると、大切にしている価値観や信念に気がつき、Will(やりたいこと)につながる作業になると思います。私の場合、全部で7つありました。

 

1.前職の会社とライバル関係にある企業の仕事

前職で得たスキルや知識を同業他社に売ることはしたくない自分がいました。30年も働き、同業他社の仕事をするのは何か違うと思っています。

 

2.上司から紹介の仕事

ありがたいことですが、前職の上司から紹介をいただいた仕事はお断りしました。もうないと思いますが、忖度したくない自分がいました。

 

3.せどり(転売ビジネス)

メルカリやヤフオクをやったことがありません。将来、物品整理などの機会が出たらわかりませんが、自分強化期間中の現在はやらないと決めました。

 

4.ネットワークビジネスの仕事

マルチ商法ともいわれるこの仕事だけは、過去の苦い経験が蘇るため、やらないと決めています。

 

5.不動産投資の仕事

儲けを考えれば現在は不動産だと思うのですが、お金に価値を置く働き方はしないと決めました。世の中にはいろいろな儲け話があります。ポンジスキームなど投資話にも乗らないことと書いています。

 

6.単純労働の仕事

将来、人生の青写真どおりにならない場合はわかりませんが、配達員や警備員などの仕事にはいまのところ手を出さないと決めました。

 

7.ブログの収益化

時代遅れなのは承知ですが、ブログで収益を目指すことはしたくない自分がいました。

 

以上の7つです。「60歳から第2の人生にする」ために、いまのところこれらはやらないと決めています。あなたも、やりたくない仕事をひとまず5つ書き出してみてください。きっと自己理解につながると思います。Will(やりたいこと)を明確にするために試してみてはいかがでしょうか。