「ミドルライフクライシス」という言葉もあるように、ミドルシニア世代は自分の人生や仕事に不安を抱えやすい時期。こうしたなか、会社員を続けながら「もう1つの仕事」を始めたことで、失いかけたアイデンティティを取り戻せたという人たちがいます。竹本和広氏の著書『自分らしく生きる定年後の仕事 50代の働き方は「複業」で変わる!』(ごきげんビジネス出版)より、複業経験者の“リアルな声”をみていきましょう。
59歳、副業を始めたら「本業」で大出世。“外の目”を手に入れたベテランサラリーマンの、社内無双 (※写真はイメージです/PIXTA)

複業を実践したミドルシニアたちの感想

複業実践者からのエールを贈ります。私にとって複業トレーナーとしての仲間であり、師匠であり、切磋琢磨している同志の人たちです。次の3つを質問して回答いただきました。

 

1.複業してよかったと思うこと

2.複業して苦労したこと

3.読者へのアドバイス

「複業をすることで、本業を俯瞰的に見れるようになった」…50代Sさん

Sさんは会社員で忙しいなか複業している、私と同年齢59歳の方です。

 

1.複業してよかったと思うこと

「本業を俯瞰的に見ることができるようになりましたね。また、本業のなかに自分の強みを発揮できる余地がまだあることに気づけました。実際に社内で各部署のニーズをヒアリングしたところ、各所から支援依頼がくるようになりました。その動きを聞いたグループ各社からも相談が舞い込むようになり、正式に本業におけるミッションが広がったのです」

 

2.複業して苦労したこと

「複業で得た気づきを本業に反映させた結果、本業の稼働時間が増えてしまい、複業に避ける時間が大きく減少してしまったことです。本業が充実すればするほど、複業の時間捻出には苦労することになってしまいます」

 

3.これから複業したい人へのアドバイス

「何も失わず、リスクを負わずにスタートできるのが複業の最大の魅力です。やってみないとわからないことだらけなので、複業をやってみたいと思ったら迷わずスタートさせてしまうことをおすすめします。また、置かれている環境は人それぞれなので、誰かの真似をしようとするのではなく、自分流の複業スタイルを構築していってください!」