お金の不安は、収入の多寡だけで決まるものではありません。むしろ、十分な収入があるからこそ、それを失うことへの恐怖が人一倍強くなることがあります。本記事では池田大介さん(仮名)の事例とともに、高収入世帯に潜む「お金の悪夢」の正体と、その解決策をFP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。※個人の特定を避けるため、内容の一部を変更しています。
休日は激安スーパーはしご、手を鬱血させながら特売品を大量買い…世帯年収1,400万円だが、45歳夫の「異常な節約癖」に妻うんざり。「お金が使えない悪夢」の正体【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

お金の教養は人生の選択肢を広げる

老後のお金は、長期的な視点で計画的に準備していきましょう。iDeCoやNISAなどの、少額から始められる税制優遇制度を活用するのも一つの方法です。毎月5万円ずつ20年間積立投資を行って、年3%の利回りが得られるとします。そうすると、20年後には、元本1,200万円、運用収益442万円、合計1,642万円の資金を蓄えることができるのです。

 

将来の老齢年金がいくら受け取れるか見込額を知るには、日本年金機構のねんきんネットにアクセスしてシミュレーションを行い、確認することができます。定年退職後も、健康で長く働くことができるスキルを身につけられるように、ご自身に投資をすることも必要ですね。

 

「子どもたちに、できる限りのことをしてあげたい」と思うと、かけるお金の上限を見積もるのは難しくなります。これからのご家族のライフイベントを書き出して、大まかな予算を決めてみてはいかがでしょうか。これくらいなら使っても大丈夫、というお金がみえてくるに違いありません。

 

「無駄遣いをしたら、将来の計画が崩れるんじゃないか」と考え、完璧な節約を目指そうとしているうちに、お金を使うことがストレスになることがあります。「いろいろなことを学んでおくべきだった」「もっと子どもに向きあってあげればよかった」などと、あとになって悔やむことがないように、お金の貯め方と使い方のバランスを検討してみましょう。

 

〈参考〉

ハローワークインターネットサービス 支給額
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html

全国健康保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/

日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/know/lifeplan/indication/

金融庁 つみたてシミュレーター
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/

日本年金機構 ねんきんネット
https://www.nenkin.go.jp/n_net/

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP