(※写真はイメージです/PIXTA)
娘に立派な学歴と就職先を
Aさんは40代のサラリーマン。田舎の高校を卒業し、最初の就職先は地元の零細企業でした。ですが、都会への憧れもあり、20代前半に一念発起して東京へ出てきました。地方出身の高卒だったためか、都心ではなかなか就職口がみつからず、やっとの思いで、都内の小さな町工場に就職します。
下町の古いアパートに暮らしながら、頑張って働き、その間、行きつけの居酒屋で知り合った妻と20歳後半で結婚。まもなくして娘が誕生しました。妻も地方の生まれで、高校卒業後すぐに就職したという経緯があります。「これからの時代、男女関係なく大学は出ておいてほしい。そして、できれば大きな企業に勤めて安定した人生を歩んでほしい」と一つの夢を託します。
高卒夫婦の18年におよぶ努力
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、学歴別の賃金(男女計)は、高校288万9,000円、大学385万8,000円と、100万円近い差があります。Aさん夫婦の世帯年収は550万円です(Aさん一人では年収300万円・月収換算25万円)。余裕があるとはいえない家計事情ですが、夫婦は娘に自分と同じ苦労をさせたくないと、共働きして二馬力で稼ぎ、質素倹約の生活を心がけ、少しでも多く教育費に充てようとお金を捻出してきました。特にAさんは、妻も拘束時間の長い仕事があることからランチを298円のコンビニ飯で済ませ、散髪はいつも妻にバリカンで刈ってもらっています。
親が必死に働く傍ら、娘も期待に応えようと中学から塾に通い、勉学に励みました。その結果、娘は有名私立大学に合格し入学したのです。