高利回り=成功ではない?落とし穴とリスク要因
ワンルームマンション投資において、「高利回り物件」は魅力的ではありますが、その裏に潜むリスクに十分注意する必要があります。高利回り物件にありがちなリスク要因として、次の3つが挙げられます。
・空室リスクが高い
・修繕・維持コストが高い
・家賃下落の可能性がある
まず考えられるのが空室リスクです。表面利回りは、物件価格が安くなればなるほど高くなります。そのため、郊外の物件や築年数の古い物件の表面利回りは高くなる傾向にありますが、安定した賃貸需要が見込めず、入居者が出て行ってしまった場合に、次の入居者がなかなか決まらないリスクもあります。空室期間が長引けば、家賃収入は得られず、また、家賃設定を下げざるを得なくなるケースもあります。
また、築年数の古い物件では修繕などの物件を維持するための費用が投資直後から発生する可能性があります。給排水管や外壁、防水工事などは定期的に発生する費用で事前に見通しが立てやすいですが、例えば、給湯器やエアコンなどの設備についてはある程度の築年数が経過している物件の場合には突発的に修理や交換が発生し、収益性が圧迫されることがあります。表面利回りが高い物件でも、ランニングコストを甘く見積もり過ぎてしまうと、実際の利益は想定よりも少なくなることがあります。
さらに、エリアによっては今後の人口減少や周辺環境の変化によって家賃が下落するリスクもあります。家賃が下落すれば利回りが低下するだけではなく、将来的な資産価値の低下にもつながるため、物件選びの段階で十分な情報を取得し、慎重な見極めが必要です。
このように、不動産投資では単に利回りの数値だけをみるのではなく、その背景にあるエリア特性や物件の状態、賃貸需要、将来の見通しなどを総合的に判断することが重要です。
ワンルーム投資で実質利回りを上げる4つの工夫
ワンルームマンション投資において収益性を高めるためには、家賃収入を効率よく最大化しながら、支出を適切にコントロールする工夫が必要です。以下からは、実践しやすい4つの改善ポイントを紹介します。
適正な家賃を設定する
実質利回りを高めるうえで重要なのが、適正な家賃設定です。
家賃が高すぎると空室リスクが高まり、反対に低すぎると収益を圧迫します。そのため、周辺の類似物件との賃料相場や交通アクセス、設備、日当たりといった物件の魅力を総合的に判断し、バランスの取れた家賃設定を行うことが必要です。
適正な家賃設定は自力で判断することが難しいため、不動産会社など専門家に依頼しましょう。賃料査定の種類や評価ポイントについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
リフォームやリノベーションをする
築年数が経過している物件であっても、内装や設備をリフォームしたりリノベーションしたりすることで賃貸需要が高まります。例えば、壁紙の張り替えや床材の変更、水回り設備のグレードアップといった小規模な工事でも、印象が大きく変わり、家賃上昇や長期入居の促進につながります。
入居者にとって快適で魅力的な住環境を提供することで、賃料アップや空室率の低下が見込め、利回りの向上を期待できます。こうした工夫は初期費用がかかるものの、中長期的に見れば十分に費用対効果が得られる可能性もあります。
管理委託費用が安い管理会社に変える
賃貸経営においては、管理会社への委託費用も無視できないコストです。管理内容が同等であれば、よりリーズナブルな手数料を提示している会社に乗り換えることで、毎月の固定費を削減できます。
ただし、安さだけで判断すると委託できる業務内容が少なかったり、満足できるサービスを受けられなかったりすることで、自分自身の負担や不満に繋がることもあります。安さだけで判断せず、管理体制や対応の質も確認したうえで選定することが重要です。
賃貸管理会社を選ぶ時のポイントや相場、手数料を抑える方法については、別のコラムで詳しく解説しています。
【関連記事】賃貸管理手数料の相場は?サービス内容や管理会社の選び方を解説
必要経費を適切に計上する
コストの削減という観点からは、節税も欠かせません。不動産投資では、減価償却費・修繕費・管理費など、経費として計上できる項目が多数あります。これらを正しく計上することで課税所得を圧縮することが可能です。
ただし、不動産に関する税務処理には専門知識が求められることも多く、誤った申告をすれば追徴課税などのペナルティを受ける可能性もあります。正しく税務処理を行い、節税効果を最大化するためにも、税理士に相談することをおすすめします。
