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不動産投資ローンを契約中の投資用物件には、原則として、自分で住むことはできません。そもそも、不動産投資ローンは投資を目的としたローンであり、自己居住を目的としていないためです。ただし、金融機関からの許可を受けた場合や、住宅ローンに借り換えることができた場合には、自分で住むことが可能です。なお、ローンがない場合や入居者がいない場合は、契約が終了しているためどのように使用するかは所有者の自由です。本コラムでは、投資用物件に自分で住むことができる場合・できない場合の具体例のほか、自分で住むメリット・デメリット、手続き上の注意点を解説します。

特にオーナーチェンジ物件に自分で住むことを検討している方は、こちらのコラムでも詳しく解説しておりますので、ぜひご参照ください。

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投資用物件に自分で住むことはできる?

(画像:PIXTA)
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結論からいうと、不動産投資ローン返済中の投資用物件に自分で住むことは原則不可能です。ローンを完済する、金融機関から承諾を得る、ローンの借り換えをするといったいずれかの条件を整えることが必要となります。ローンを完済した場合には自分で住むことも可能です。しかし、ローンが完済したからといって、必ず住むことができるわけではなく、既に入居者がいる場合には賃貸契約上、入居者を追い出すことは難しいため自分で住むことはできません。

 

以下からは、投資用物件に自分で住むことができるケース・できないケースを解説します。

 

投資用物件に自分が住むことができるケース

投資用物件に自分で住むことができるのは、以下の4つのケースです。

 

・全額自己資金で購入している

・不動産投資ローンを完済している

・ローン返済中でも金融機関の承諾がある

・不動産投資ローンを住宅ローンに借り換える

 

物件購入時にローンを組むのではなく、全額自己資金で購入した物件であれば、金融機関とのローン契約による制限がないため、当然、自らの判断で居住することが可能です。また、ローンを完済している場合も同様に契約による制限がないため、自分で住むことができます。

 

ローンを返済中でも、金融機関の承諾を得られれば自分で住むことができます。ただし、不動産投資ローンは「賃貸収益を得る目的」で貸し出されているため、承諾を得られるケースはほとんどなく、難しいものとなります。

 

また、不動産投資ローンは「居住を目的」とした住宅ローンと比較して、一般的に金利が高く設定されています。そのため金融機関の承諾が得られたとしても、資金効率は基本的に良くありません。

 

専有面積が30㎡以上ある区分マンションなど、自己居住用の住宅ローンの対象となる物件であれば、不動産投資ローンから住宅ローンへと借り換えることで、自分で住むことが可能となる場合もあります。しかし、どこの金融機関でも借り換えに応じているわけではないため、将来的に住宅ローンへの借り換えも視野に入れて不動産投資を行う場合には、事前に情報を収集しておくことが重要です。

 

不動産投資ローンの返済中は契約による制限があるため、原則として自分で住むことはできませんが、具体的に検討している場合には、まずは金融機関に相談するようにしましょう。

 

また、後ほど詳しく紹介するように、現時点で入居者がいる場合、オーナーであっても一方的に入居者を追い出すことは原則としてできないため、自分で住むことができません。

 

投資用物件に自分で住めないケース

以下のような場合は、原則として投資用物件に自分で住むことはできません。

 

・不動産投資ローンを完済していない

・入居者がいる

 

多くの不動産投資ローンでは契約上「自己居住を禁止」する条項が設けられています。無断で居住すると、一括返済の請求や金利の引き上げといったペナルティを受けるリスクがあり、基本的に住むことはできません。

 

また、入居者がいる場合にも自分で住むことはできません。賃貸借契約はたとえ物件のオーナーであっても一方的に解除することはできないため、基本的には賃貸借契約が終了し、入居者が退去するまで待つ必要があります。

 

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