文法力をつける
英文法もどちらかと言えば暗記の範疇となりますが、単語と違って「理屈」が存在します。正解を導くために考えるべきポイントとなる理屈は、必ず理解するようにしましょう。
最初は文法単元ごとの学習になります。英文法の参考書に目を通して、それぞれの単元のポイントを理解し、暗記すべき点を整理します。できれば例文を声に出して覚えながら、各文法事項のポイントを習得すると良いでしょう。「名詞」「代名詞」「冠詞」「接続詞」「前置詞」など品詞分類による単元は、細かい規則が多いので大変ですが、一度は参考書に目を通しておいてください。
参考書を読んでポイントを理解・整理できたら、単元ごとの問題集で演習し、インプットした知識をアウトプットして定着を図ります。問題にもレベルの違いがあります。
まずは選択問題で演習し、単純なポイントを定着させ、次に整序問題でレベルアップを図ります。基礎段階であればここまでで十分ですが、意欲があれば和文英訳問題で仕上げておくと万全です。
Step 3 長文読解力をつける
英語の学習を始めたばかりの段階では、語彙力や文法力を伴っていないため、英語長文の学習を進めても表面的な学習になってしまいます。
そこで、自分のレベルに合った英語長文の選択が重要になります。レベル別でシリーズ化されている長文問題集であれば、自分のレベルに合った問題集を探しやすいでしょう。
英語長文演習の入り口は「精読」です。わからない英単語の意味を調べ、SVOC(主語、動詞、目的語、補語)や、句や節などを丁寧に分析し、一文一文、和訳を考えていきます。
「精読」がある程度進んだら、 「速読」にシフトしていきます。「速読」といっても何も特別なことをするわけではありません。次のような順番で学習を進めていきます。
①~③は精読の段階で完成しつつあるので、④を意識することが重要となります。
英文解釈系に分類されるテキストは、英語長文を読む際に、英文法で学んだ知識を活用する方法を学び、受験必須の英文和訳問題に対応する力を養うものです。「教養英語から実用英語へ」の流れの中、短い英文を吟味することよりも長い英文を処理する力が重視される傾向にあります。
しかし、今でも英文和訳問題を出題する医学部は多く、英文解釈の学習も重要です。ただし、以前に比べ難しい英文を和訳させる出題は少なくなってきているので、あまり時間をかけすぎず、英語長文を学習する中で、複雑な英文を解釈する力も養っていくと良いでしょう。
私立大、国立大を問わず、記述形式の医学部では、多くの大学で英作文が出題されます。英語→日本語の学習時間に比べ、日本語→英語の学習時間が圧倒的に少ない受験生がほとんどです。
基礎段階ではいきなり大学入試レベルの英作文に取り組むのではなく、英文法の参考書に掲載されている例文の暗記から取り組んでください。自信のない人は、高校入試の英作文問題集を活用しても良いでしょう。
文法事項の大半は中学校で学びます。時制や主述の対応、冠詞や名詞の単複まで意識して、高校入試レベルの英作文を書けるようになれば、あとは多少の高校英文法と構文や語彙の知識で、大学入試の英作文にも対応できます。
また、一部の私立大医学部では、発音・アクセント問題が出題されます。直前になってテキストを購入し、つけ焼き刃の対策をする受験生も多いのですが、英単語は先述したように、日頃から英単語を覚える中で、発音・アクセントも身につけていくのが最良の方法です。現在は単語集とリンクしたスマートフォンのアプリがあり、音声で手軽に発音・アクセントを確認できます。
可児 良友
医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括


