(※写真はイメージです/PIXTA)

駐車場投資は、初期費用を抑えつつ遊休地を活用できる投資手法として知られています。しかし、需要が立地に左右されやすく、固定資産税が高いなどのデメリットもあります。本コラムでは、駐車場投資のメリットやデメリットのほか、駐車場投資を成功させるためのポイントを詳しく解説します。

駐車場投資と居住系不動産投資との比較

駐車場投資を検討する方のなかには、マンションやアパートなどの居住系不動産投資と迷う方もいるでしょう。そこで、駐車場投資と居住系不動産投資を比較してみます。

駐車場投資は、建物を必要としないため初期費用が比較的安く、管理の手間やランニングコストも抑えられる点が魅力です。また、広告や宣伝の必要性も低く、土地さえあれば手軽に始めやすい投資手法といえます。

 

しかし、利回りは立地や需要に大きく左右され、競合との差別化が難しいため、安定した収益を得るには綿密な市場調査が不可欠です。加えて、建物がない場合は減価償却ができず、節税や相続税対策の面では一般的な不動産投資に劣ります。

 

一方、賃貸アパートやマンションなどの一般的な不動産投資は、初期費用や管理負担は大きいものの、入居者からの安定した賃料収入が見込め、減価償却や相続税対策といった税制面でのメリットも大きいため、長期的な資産形成に適しています。

 

両者にはそれぞれ異なる特徴があるため、目的や資金状況に応じて選択することが重要です。

駐車場投資を成功させるためのポイント・コツ

(画像:PIXTA)
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駐車場投資を成功させるためには、単に空いた土地を活用するだけでなく、立地やニーズ、将来的な運用方針をしっかりと見極めた上で計画的に進めていくことが重要です。ここでは、駐車場投資を成功させるためのポイントを5つ紹介します。

 

遊休地を活用する

駐車場投資は、遊休地を有効活用する手段として非常に有力です。特に建物を建てる必要がないことや土地の形状が整っていない変形地でも、大規模な開発工事を行わずに自動車の出入りが可能な場所であれば比較的すぐに運用を始めることができます。

 

立地と市場調査

駐車場投資では、立地の良し悪しが収益性に直結します。そのため投資を始める前に必ず行うべきなのが、地域の市場調査です。周辺にどれくらいの交通量があるのか、近隣に商業施設や公共機関、オフィスビルや住宅街があるかどうかといった点を丁寧にチェックしましょう。

 

また、コインパーキングと月極駐車場では適した土地が異なります。オフィス街や観光地、商業施設の近くなど短時間の利用者が多い場所であればコインパーキングが向いており、住宅街や会社、工場の近くなど長期利用者が見込まれる場所であれば月極駐車場が適しています。

 

土地の条件だけでなく、周辺に既存の駐車場がどれだけあるか、稼働状況はどうかなどの情報を調べることで、より適切な運用スタイルを見極めることが重要です。

 

競合が出現するリスクを考慮する

駐車場ビジネスは比較的参入障壁が低いため、たとえ現在近隣に競合が存在しなくても、将来的に同じエリアに他の駐車場ができる可能性を常に念頭に置いておく必要があります。

 

特に立地が良い場所では、需要が高い反面、競合が新たに進出してくる可能性も高くなります。競合が増えれば、稼働率が下がり、収益が圧迫されるリスクがあります。

 

そのため、価格設定を決める際には、現時点だけでなく今後の展開も想定した上で計画を立てることが重要です。

 

初期費用・運営コスト・収益のシミュレーション

駐車場投資を始める前には、初期費用・維持費・収益のバランスをシミュレーションし、収益性が見込めるかどうかを事前に判断しておくことが欠かせません。

 

例えば、コインパーキングを運営する場合には、土地の舗装や精算機・ロック板の設置などにかかる初期費用が必要になります。月極の場合は設備投資が少ないこともありますが、契約手続きや募集広告などで手間やコストがかかることもあります。

 

また、清掃や整備、保険料、管理手数料、固定資産税などのランニングコストも加味した上で、月ごとの収益予測を立てましょう。周辺駐車場の稼働状況などを見ながら想定稼働率を複数パターン設定して、想定収益と費用の差額が十分に見込めるかどうかを冷静に見極め、冷静な投資判断を心がけましょう。

 

管理会社への委託

駐車場投資を始めたものの、「日々の管理に手を取られたくない」「クレーム対応が不安」という方にとっては、駐車場管理を専門とする管理会社へ委託するのも一つの手段です。

 

管理会社に任せることで、利用者からの問い合わせ対応やトラブル時の対応、定期的な清掃や設備点検などをすべて委託でき、自分の時間や労力を大幅に削減することができます。また、精算機の不具合や不正利用など、対応が難しいトラブルにもプロが迅速に対応してくれるため、安定した運用が期待できます。

 

委託費用は発生しますが、それを差し引いても十分な収益が見込めるのであれば、必要なコストと割り切ることも大切です。

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