トランクルーム経営と一般的な不動産投資との比較
すでに土地を所有しており、トランクルーム経営を検討する人のなかには、居住系不動産投資と迷う人もいるでしょう。そこで、トランクルーム経営と居住系不動産投資とを比較検討してみます。

トランクルーム経営は、投資用マンションなどの住居系の不動産投資と比べると初期費用を抑えられる点が魅力です。トランクルーム経営は土地の購入費用を除けば200万円程度から始められるのに対し、住居系物件では物件価格の10%程度(3,000万円の物件を購入する場合は300万円)の費用が必要になります。
また、利回りについてもトランクルームは10〜20%と高く、表面的には収益性が高く見えます。しかし、一般的に満室稼働までに時間がかかることを踏まえると、表面上の利回りを鵜呑みにするのではなく、慎重な判断が求められます。
相続税対策という面では、住居系不動産が小規模宅地等の特例によって相続税評価額が50%減額される可能性があるのに対し、トランクルームはこの特例が適用されないため、長期的な資産継承を考える際には相続時の減税は期待できません。
トランクルーム経営のメリット
トランクルーム経営には、他の不動産投資とは異なる複数の魅力があります。ここでは、主なメリットを4つの観点から解説していきます。
小規模なスペースから始められる
トランクルーム経営は、比較的小規模な土地でも始められる点が魅力です。特に都市部では、狭小地や変形地といった通常の住宅用地としては活用しにくい土地でも、トランクルームとして有効活用できる可能性があります。また、郊外に比べ都市部の方が、トランクルームの需要が高い傾向にあるため、適切な立地を選ぶことで高稼働率を維持しやすくなります。
このため、すでに土地を所有しているが活用に悩んでいる場合や、限られた予算で不動産投資を始めたい人にとって、トランクルーム経営は魅力的な選択肢となりえます。
初期投資を抑えられる
不動産投資では、初期費用として多額の資金が必要となるものも少なくありませんが、同じ不動産投資の中でもトランクルーム経営は比較的少額の初期費用でもスタートできる点が魅力です。
トランクルーム経営では、土地取得費用およびコンテナの購入・設置費用のほか、防犯カメラや看板の設置費用などが必要となりますが、居住系不動産投資と比べると初期費用を抑えやすいです。
物件や利用者の管理が楽
トランクルーム経営は、居住系不動産と比べて管理の手間が少ない点も大きなメリットです。日常的な対応としては、清掃や防犯設備のチェック程度で済む場合が多く、居住者の生活に関わるトラブルへの対応が不要です。
また、管理を外部の専門会社に委託することで、オーナー自身の負担をさらに軽減できます。無人でも運営可能な仕組みを構築すれば、他の事業と並行して行う副業投資として行いやすいです。
築年数や老朽化の影響を受けにくい
トランクルームは住宅のような建物ではなく、コンテナや簡易構造物を活用するケースが多いため、築年数による価値の下落や老朽化の影響を受けにくいという特徴があります。老朽化してリフォームが必要になったり、資産価値が大幅に下がったりするといったリスクが比較的少なく、長期的に安定した運用が見込めます。
ただし、屋外型のコンテナの場合、日差しや雨風に直接当たります、また、密閉空間で空調設備もないためコンテナ内が高温になるなど、温度管理や湿度管理、防犯対策、害虫対策など、トランクルーム特有の管理面には配慮が必要です。特に預けられる荷物の種類によっては湿気や高温が大きな問題となるため、最低限の環境対策は欠かせません。

