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不動産投資において賃料査定は投資判断の基礎となる非常に重要なプロセスです。そのため、賃料査定で重視されるポイントを理解しておき、慎重に手続きを進める必要があります。本コラムでは、賃料査定の種類や評価ポイント、具体的な流れや注意点を詳しく解説します。

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賃料査定とは?なぜ重要なのか

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賃料査定とは、賃貸用物件の適正な家賃がいくらなのかを不動産会社に査定してもらうことをいいます。賃料査定結果によって不動産収支のシミュレーションは大きく左右されるため、投資用物件の建設や中古物件の購入を検討する際など、不動産投資のさまざまな場面で重要な判断材料となります。

 

賃料設定が低すぎると、オーナーは本来ならば得られたであろう収益を得られずに損をしてしまいます。逆に、賃料設定が高すぎると入居者が決まらず、空室期間が長くなってしまいます。また、将来に物件の売却を検討している場合、売却価格の査定には賃料収入を基に算出した収益還元法が使われることもあるため賃料の設定は重要になります。

 

そこで賃料査定を通じて、周辺相場や市場の動向、物件の立地や築年数、間取りなどの要素を加味し、バランスの取れた金額を導き出す必要があります。

 

このように、賃料査定は投資物件の長期的な収益安定や資産価値維持にもつながるため、不動産会社に依頼し、正確に査定してもらうことが重要です。

賃料査定の種類

賃料査定にはいくつかの種類があり、それぞれの特性や精度が異なります。ここでは、主な査定方法として「簡易査定(机上査定)」「訪問査定」「AI査定」の3つを紹介します。

 

簡易査定(机上査定)

簡易査定(机上査定)とは、実際に現地を訪問することなく、周辺の類似物件の賃料実績や成約事例、物件の基本情報(所在地、築年数、間取り、広さなど)をもとに査定額を算出する方法です。

 

短時間で結果を確認できる一方で、物件特有の魅力や管理状況、設備のグレードなどは反映されないため、あくまで参考価格として活用するのがよいでしょう。

 

訪問査定

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を訪れ、建物の状態や内装、設備の質、日当たり、周辺の環境などを細かくチェックしたうえで賃料を算出する方法です。

 

簡易査定と比べて時間や手間がかかりますが、その分精度が高く、物件の個別性をしっかりと反映した現実的な家賃がわかります。例えば同じ築年数でもリフォームの有無や管理の丁寧さによって賃料に差が出る場合があるため、こうした要素を査定に組み込むことも重要です。

 

不動産投資を本格的に始める前や、空室対策のために家賃を見直したいときには、訪問査定を依頼することでより正確で納得感のある賃料設定が可能となります。

 

AI査定

AI査定とは、人工知能を活用して大量の不動産データをもとに家賃を自動算出する賃料査定手法です。インターネット上の売買・賃貸情報、エリア別の賃料相場、付属設備などを統合的に分析し、瞬時に結果を提示できる点が大きな魅力です。

 

簡易査定や訪問査定とは異なり、人間の主観が入りにくいため客観性が高く、透明性のある査定が可能です。また、査定結果までのスピードが非常に速く、スマートフォンやPCから気軽に利用できるサービスも増えています。

 

ただし、あくまで統計的な分析によるものであり、簡易査定と同様に現地特有の事情や個別の魅力などは加味しづらいため、最終的な判断には他の査定方法と併用するのがおすすめです。

 

不動産データと実際の賃貸事例をもとに、賃料相場の妥当性を検証した動画をこちらからご覧いただけます。

 

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