(※写真はイメージです/PIXTA)

転勤や海外赴任などで長期間自宅を離れる場合や物件を相続した場合など、所有しているのに活用できていない不動産があるという場合には、その家を貸し出すという選択肢もあります。ただし、賃貸経営を行うにあたっては住宅ローンの扱いや確定申告など、注意すべき点がいくつかあります。本コラムでは、個人が家を貸し出すことのメリットやデメリット、具体的な手続きのほか、注意点についても詳しく解説します。

家を貸すために必要な6つのステップ 

(画像:PIXTA)
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以下からは、実際に家を貸し出すまでに必要なステップを6段階に分け、それぞれ詳しく解説します。

 

ステップ① 金融機関に相談する

住宅ローンを組んでいる場合は、まずは金融機関に相談してみましょう。

 

ステップ② 貸し出し条件を明確にする

どのような条件で家を貸し出すのかを明確にしておきましょう。例えばペットの飼育は可能か、楽器の使用、入居可能な人数や契約期間、更新条件など、入居者に求める条件を細かく決めておくことで、未然にトラブルを防ぐことができます。また、敷金・礼金、共益費などの設定や退去時の原状回復に関する取り決めも重要です。

 

事前に条件を整理しておくことで、不動産会社との相談や契約の際にもスムーズに進められるでしょう。

 

ステップ③ 賃貸物件としての想定収支を確認する(査定)

家を貸す際には、賃料収入と支出のバランスを正確に把握することが不可欠です。

 

まずは不動産会社に家賃査定を依頼し、客観的な相場を把握しましょう。この際、自分でもあらかじめ近隣の類似物件を調査しておき、相場感を把握しておくことが重要です。

 

収支シミュレーションでは、収入面だけでなく支出面にも注目する必要があります。月々の住宅ローンの返済額や突発的に発生する修繕費用、大規模なリフォームの可能性も含め、将来的な費用も想定しておきましょう。

 

ステップ④ 賃貸管理会社に相談する

賃貸経営をスムーズに行うためには、自分の求める条件にあった管理会社を見つけることが重要です。まずは複数の管理会社を検討し、業務内容や管理範囲、口コミなどの評判を確認しましょう。

 

管理費用だけではなく、管理している物件の入居率が高い(空室率が低い)か、入居者募集が得意か、入居者トラブルなど起きた際に迅速な対応ができる体制が整っているか、大手と地元密着型のどちらが自分に合うかなど、複合的な観点から検討することが大切です。

 

・サービス内容を必ず確認する
・管理している物件の入居率を確認する
・入居者の募集が得意かを確認する
・迅速な対応ができるか確認する
・大手か地元の管理会社にするかを検討する 
・口コミや評判を確認する

 

賃貸管理会社の費用相場や選び方、管理費用を抑える方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

【関連記事】賃貸管理手数料の相場は?サービス内容や管理会社の選び方を解説

 

ステップ⑤ リフォームや清掃などの準備を行う

すぐに入居者を見つけるためには、家を貸し出す前にリフォームや清掃を行いましょう。築年数が経過している物件の場合、設備の劣化や内装の古さが入居希望者のネックになることがあります。特に水回りは清潔感が重視されるため、こまめなメンテナンスが必要です。

 

また、室内の清掃も清掃業者に依頼することで、印象が格段によくなります。内見時に好印象を与えることができれば、早期の入居決定にもつながるため、費用対効果を考慮しながらしっかりと準備を整えましょう。

 

ステップ⑥ 入居者募集・契約手続き

物件の準備が整ったら、いよいよ入居者の募集と契約手続きに進みます。入居者募集は、基本的に不動産会社がインターネットポータルサイトや店舗を通じて広告を出して行います。

 

募集開始後は内見の予約が入ることもあるため、柔軟にスケジュールを調整できるようにしましょう。内見後に、入居申込みが入り、審査を経て賃貸借契約の締結に進みます。契約書は基本的に不動産会社が作成するため、実際の入居者との契約前までにしっかりと内容を確認し、貸主としての責任や条件を明確に把握しておきましょう。

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