(※写真はイメージです/PIXTA)

リロケーションは、長期間自宅を離れる際にその間だけ賃貸に出すことで家賃収入を得ながら資産を維持する運用手段として注目されています。しかし、一般的な賃貸とは異なる点も多いため、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。本コラムでは、リロケーションの基本的な仕組みから、具体的な契約形態、費用や税金、そして知っておくべき注意点まで、不動産投資初心者にも分かりやすく解説します。

リロケーションの運用方法

 (画像:PIXTA)
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リロケーションは、物件を賃貸として運用する上での入居者管理や家賃回収などの業務負担が発生するため、リロケーション会社に管理を委託して運用することが一般的です。リロケーションを始める場合、まずリロケーション会社との間で運用形態を決定し、その後の入居者募集、賃貸管理業務へと進んでいきます。

 

代理委託契約または転貸借契約を結ぶ

リロケーションの運用を開始するにあたり、まずはリロケーション会社と「代理委託契約」または「転貸借契約」のいずれかを結ぶことになります。代理委託契約と転貸借契約の特徴は前述したとおりですが、どちらの契約形態が最適かは、オーナー自身の「管理への関与度合い」や「得たい収益」、「リスクの許容度」によって異なります。

 

管理手数料を抑えて少しでも多くの収入を得たい、かつトラブル時には直接対応することも厭わないという人には「代理委託方式」が適しているでしょう。一方で、管理の手間をできるだけ省きたい、トラブル対応に煩わされたくないという人には、管理手数料がやや高めになるものの「転貸借方式」の方が向いているといえます。

 

それぞれのメリット・デメリットを十分に比較検討した上で、自分の状況に合った最適な契約形態がどちらかを慎重に検討しましょう。

入居者募集業務

賃貸物件として自宅を貸し出すためには、入居者を募集する必要があります。リロケーションにおける入居者募集業務は、基本的には専門知識を持つリロケーション会社が代行して行います。

 

ただし、契約形態によって業務をオーナーの代理人として行うのか、契約当事者として行うのかという点で違いがあります。「代理委託方式」ではリロケーション会社がオーナーの代理として動く一方で、「転貸借方式」では契約当事者として行います。

 

物件の魅力を最大限に引き出すための写真撮影や物件情報の作成、各種ポータルサイトへの掲載、内見の調整、入居希望者の審査など、多岐にわたる業務をリロケーション会社に委託することで、迅速かつ適切な入居者を見つけることが期待できます。

 

賃貸管理業務

入居者が決まった後の賃貸管理業務も、リロケーション会社が対応してくれます。具体的には、家賃の回収や滞納時の督促、入居者からの設備に関する問い合わせ対応、修繕の手配、契約更新手続きなどが含まれます。

 

なお、入居者募集業務と同様に、契約形態によって業務をオーナーの代理人として行うのか、契約当事者として行うのかという点で違いがあります。そのため、リロケーション会社は「代理委託方式」ではオーナーの代理人として、「転貸借方式」では契約当事者として対応することになります。

 

オーナーが遠隔地にいても、賃貸経営における煩雑な管理業務をリロケーション会社に任せることができ、大きな手続きの負担もなく運用することが可能です。特に、トラブル発生時においてもリロケーション会社が間に入り、円滑な解決に向けて尽力してくれるため、精神的な負担も軽減されるでしょう。

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