(※写真はイメージです/PIXTA)
徐々にエスカレートする義母の“善意”
Dさんの“善意”は次第にエスカレートしていきます。いつからか義母は夫婦の自宅へアポなしで訪れるようになり、玄関の鍵を開けて勝手に家に入ってくることもしばしば。Aさんが仕事から帰宅すると、義母がリビングでくつろいでいる、といった状況も珍しくなくなりました。
最初は「孫に会いたい気持ちが強いんだな」と大目に見ていたAさんですが、義母の言動は夫婦のプライベートを侵食していきます。
Aさんの書斎に勝手に入り、机の上の書類を片づけ、本棚の配置を変える。夫婦の寝室にまで足を踏み入れ、ベッドメイキングをしたり、クローゼットのなかを整理する……。Aさんが「ここは触らないでほしい」と伝えても、「あら、きれいにしてあげようと思っただけよ」と悪びれる様子はありません。逆に、「せっかくやってあげてるのに」と不満げな顔をされます。
食卓でも、義母はAさんの食生活に口出しをするようになりました。「もっと野菜を食べなさい」「そんなにビールばかり飲んで」など、まるで自分の子どもに接するようです。
また、Cくんの育児についても、夫婦の教育方針とは異なる意見を述べ、強引に自分のやり方を押しつけるようになりました。長男が泣き出すと我先に抱き上げ、「パパは下手ねぇ」とAさんを批判します。
妻に助けを求めるも一蹴…精神的に疲弊したAさんの末路
義母のこうした“暴走”に、Aさんは妻のBさんに助けを求めました。しかし、妻と義母は親友のように仲がいいことから、あまり問題には感じていない様子です。
「ママがCを見てくれるおかげであたしも働けるし、ちょっとくらい我慢してよ」
(たしかに家計は潤っているが、このままじゃ俺が壊れてしまう……)
常に義母の視線を感じ、プライベートな空間も時間も確保できない日々。Aさんは仕事から帰る道すがら「今日も義母がいるかもしれない」と吐き気を催すようになりました。
休日も「義母が突然訪問してくるかもしれない」という恐怖から、妻と子を連れて外出するようにしていましたが、それも単なる“応急処置”で、根本的な解決には至りません。
「あら、おかえりなさい。遅かったじゃない」
義母の声に、背筋が凍る日々。「夢のマイホーム」は購入してわずか1年で「悪夢の場所」へと変貌してしまいました。