「いつかはマイホームを」そう夢見る人は多いでしょう。しかし昨今、マイホームは買うか買わないかを選ぶのではなく、「そもそも買えない」と、夢さえ見られない人が増えつつあります。本記事では、伊達有希子氏の著書『夫婦と子ども2人、世帯年収650万円。どうしたら家が買えますか?:マンガでわかる!一生お金に困らないライフプランのつくり方』(大和出版)より、マイホーム購入時に後悔しないために知っておくべきお金の知識、そして「買わない」という選択肢まで徹底解説していきます。
マイホームが買えない時代…世帯年収500万円の夫婦が家を買う方法。切り札は「妻」 (※写真はイメージです/PIXTA)

2.火災保険はマスト。水災・地震も要検討

金融機関で住宅ローンを契約する際は火災保険に加入するのは必須です。火災保険加入は条件となっています。このとき一番安いプランに加入するのはちょっと待ってください。エリアによっては水災などのオプションが必要だからです。安心が買えるのであれば私は加入したほうがいいと考えています。水災補償のオプションをつけたほうがよい地域についてはハザードマップで確認するのが早いでしょう。

 

建設会社によっては、自社の建物が耐震、免震であるがゆえに地震に強いと自負して地震保険をすすめないケースもあるとか……。判断が難しいと思いますが、私は保険を払う余裕がなくなるほど高い価格の家をそもそもすすめていません。加入できるのであればしておいたほうが安心だと思います。

 

3.団体信用生命保険は最低限でよい

住宅ローンに加入すると、団信(団体信用生命保険)加入も必須となります。ただし、よく団信に、金利上乗せで+αの保障がついてくることがあります。ガンになったり、三大疾病で入院したりしたら、住宅ローン残高が0円になるなどです。しかし、こういった+αには金利の上乗せ、つまり余計な保険料支払いがついてくるということです。団信はあくまでも住宅ローンに対しての保険です。基準金利内の団信で万が一のときのカバーはできます。民間保険で置き換える人はそこまでいないですが、ライフプランをつくると特に若い方は民間保険を団信代わりに使うこともできるので(フラット35利用など要件あり)、最低限の団信に加入しておけば十分です。

「買わない」という選択をするとき

ここまで家を買う話をしてきましたが、選択肢としては「買わない」という選択も大いにあり得ます。なぜなら賃貸は家賃が大ブレしないんです。今後のライフイベントの見通しが立っていない時は動かないという判断も必要です。住宅購入を焦らずに、まずは頭金の2割(目標値)を準備しておくことで、安心して家を購入できるという面もあります。

 

家を買うというのは大きな決断です。本当に家が欲しいのか? なぜ欲しいのか? 改めて考えてみていただくきっかけになれば幸いです。

 

 

伊達 有希子
フィナンシャル・プランナー