人間は食事をするだけでエネルギーを消費できることをご存じでしょうか。単純に「食べたら太る」と考えるのは危険です。健康に脂肪を減らすにはどうすればいいのか、糖尿病専門医である大坂貴史氏の著書『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)より、肥満を解決する「食生活」のポイントをみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
食べると痩せて、食べないと脂肪が増える!?…実は知らない「食事」の効果【医師が解説】
朝食にプラスするだけで効果抜群な一品とは?
「そうですよね。私たちは活動することでエネルギーを消費しますが、それ以外に動いていないときでも生きるために内臓が働くことなどでエネルギーを消費しています。これが“基礎代謝”です。基礎代謝は筋肉量が増えると上がります」
「そうなんですか」
「そして、食事をするだけでもエネルギーを消費できるんです。覚える必要はありませんが、これを“食事誘発性熱産生(しょくじゆうはつせいねつさんせい)”と呼んでいます」
「初めて聞きました」
「そうですか。とにかく、余分な脂肪を減らして筋肉を増やすには、バランスよくしっかり食べることです。特に、タンパク質を意識して増やしていきましょう」
「……はい」
「朝食にプラスできそうなものは何でしょう?」
「目玉焼きでもいいのかしら?」
「いいですよ! スクランブルエッグでも、ゆで卵でも、生卵でも!」
「牛乳はそのままでは飲めないですが、コーヒーに入れてカフェオレにするのならできるかもしれないです」
「いいですね! 牛乳でも豆乳でもOKです。では、それで決まりです!」
「朝食に増やすだけでいいのでしょうか?」
「タンパク質は貯蔵がききにくい栄養素です。だから、1日3食、毎食こまめにプラスしていくことが大切です。特に朝のタンパク質は欠かさないようにしましょう」
「やってみます」
「できれば、1食で20g程度のタンパク質を摂るのが理想です。食事から摂取する分には、摂りすぎが問題になることはまずありません。ちょこちょこプラスすることからスタートしましょう」
〈先生からの処方箋〉
食べることで“脂肪を燃やせる体”になる。特に筋肉を増やすタンパク質はこまめに摂取を!
大坂 貴史
糖尿病専門医・指導医
総合内科専門医