人間は食事をするだけでエネルギーを消費できることをご存じでしょうか。単純に「食べたら太る」と考えるのは危険です。健康に脂肪を減らすにはどうすればいいのか、糖尿病専門医である大坂貴史氏の著書『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)より、肥満を解決する「食生活」のポイントをみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
食べると痩せて、食べないと脂肪が増える!?…実は知らない「食事」の効果【医師が解説】
〈本記事の登場人物〉
横田みずほさん(52歳・女性)
1児の母。冷え性が悩み。医師から、筋肉をつくったり維持したりすることが難しくなる「サルコペニア肥満」になっている可能性を告げられる。このままでは糖尿病も進行してしまうため、動揺する横田さん。筋肉を増やす方法について尋ねると、医師からは意外な答えが返ってくる。
筋肉を増やすために食べる
糖尿病というだけでショックなのに、“サルコペニア”とか、“隠れ肥満”とか、さっぱりわからない。でも、どうにかしなくてはいけないらしい……。
「筋肉を増やすには運動をすればいいんですか? 筋トレですか?」
「運動も大切な要素ですが、食事を優先しましょう。筋肉を増やすにはタンパク質をしっかり摂ることが必要です。タンパク質は筋肉のおもな材料だからです」
「肉は苦手なのですが… …」
「タンパク質を含む食品は、肉だけに限りませんよ」
「あぁ、魚もですね」
「そうです! 魚介や卵にも豊富に含まれますし、納豆や豆腐などの大豆食品も良質なタンパク源です。乳製品でもいいです。特に朝食にタンパク質の多い食品を必ず加えてほしいのですが、何か足せそうなものがありますか?」
「肥満なのに、足していいんですか?」
「脂肪が増える原因は、食べすぎだけではありません。人間の体はなかなかややこしいのですが、食べる量が少ないとエネルギーを消費しにくい“省エネモード”になって、脂肪をためがちになるんです」
「まぁ! 食べたら太るから、食べないほうがいいと思っていました」