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たんぱく質でやる気を起こす
体を若々しく保っていても、「なんとなく、やる気が起きない」「なかなかモチベーションが上がらない」という人もいますね。その状態を「もう、いい年だから」とか「この年になって、今さら新しいことに取り組まなくてもいい」などと後ろ向きにとらえて受け入れていたとしたら、それは間違いです。
やる気や意欲をコントロールしているのは脳なので、やる気が出ないということは、脳の機能が低下している可能性があります。脳の中枢神経系に存在する神経伝達物質・ドーパミンは、やる気や意欲を高める働きを担っています。そのドーパミンの主原料はたんぱく質です。やる気を起こすためには、まずは肉を食べることをおすすめします。
もちろん、肉だけ食べればいいわけではありません。野菜もしっかり食べるのがポイントです。また、アミノ酸の一種であるチロシンにも、ドーパミンを増やす効果があります。チロシンは、納豆やバナナ、アボカド、アーモンド、カツオなどに多く含まれています。緑茶に含まれるテアニンにも、ドーパミンを増やす働きがあります。テアニンを効果的に摂取するには、少しぬるめのお茶を飲むようにしてください。
ドーパミンのほかにも、脳内にはいくつもの神経伝達物質があるのですが、それらの働きを改善したり、活性化させるには、魚介類やレバーなどに多く含まれているビタミンB12が効果を発揮します。ビタミンB12には、活性酸素やホモシステインを取り除く働きもあります。
活性酸素が、がんや成人病、あるいは皮膚のトラブルなど、さまざまな病気を引き起こす原因になっていることはよく知られていますね。ホモシステインも代謝されずに蓄積すると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化の原因物質ですから中高年にとっては危険な存在です。
良質なたんぱく質をはじめ、ここに挙げた食品を積極的にとって、心も体も元気になりましょう。
保坂 隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック
院長
※本記事は『精神科医が教える 50代からの心おだやかな暮らし方』(有隣堂)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。