〈本記事の登場人物〉

横田みずほさん(52歳・女性)

1児の母。身長154cm・体重44kgのやせ型で、冷え性が悩み。夫の役職定年で自分の時間が減ったことにより、日々のスイーツタイムが癒しの時間となっていた。やせ型だからと安心していたが、糖尿病の疑いがあるという検査結果を受け、治療を進めていくことを決意。普段の食生活を振り返っていくなかで、医師から驚きの一言を告げられる。

糖尿病の半数は肥満ではない

「先生。私は太っていないので、糖尿病ではないと思います」

「そうですよね。そうおっしゃる方がほとんどです。BMI(Body Mass Index)をご存じでしょうか。体重(㎏)を身長(m)の2乗で割って算出される肥満度ををご存じでしょうか。体重(㎏)を身長(m)の2乗で割って算出される肥満度を表す体格指数で、日本では25を超えると“肥満”と判定します。2023年の報告では、2型糖尿病患者の平均BMIは24.71㎏/㎡です。糖尿病を持つ日本人の半数は肥満体系ではないと考えることができます」


「そんな話、聞いたこともありません」


「これは、日本を含めたアジア人の特徴です。欧米人に比べて、血糖値を下げるホルモンのインスリンを出す力が弱いことが関係していると考えられています」

「……」

やせ型だから糖尿病にならないわけではないんです」

「そんな……。では、どうしたら治るんですか?」

先生は、少しほっとした顔をした。

「ご自身の体と向き合おうとしてくださって、よかったです。私は医師としてできるだけ横田さんの生活に合う情報をお伝えしたいと思います。でも、横田さんの体を守れるのは、横田さんしかいません。今の状態と向き合って、これからの変化を感じていってください。それが改善の道につながります」

〈先生からの処方箋〉

糖尿病は体質が影響する疾患。

日本人はやせていても糖尿病になる人が多い!