(※写真はイメージです/PIXTA)

アパート経営では、賃貸収入から経費を差し引いた後の手残りをいかに増やすかが重要です。一般的な事業と異なり、家賃収入には上限があるため、経費の管理や節税対策が不可欠となります。適切な税務対策を行うことで、キャッシュフローを大きく改善することが可能です。アパート経営における税金対策について、木戸真智子税理士が解説します。

経費の適正活用と法人化の検討

試算表や申告書を作成する際に、多くの方が悩むのが経費の扱いです。経費がどこまで認められるのか分からないまま申告をしている方も少なくありません。

 

特に判断が難しいのが交際費関連の支出です。不動産業者との情報交換や手土産、交流会、食事会など、事業に関連するものは経費計上が可能ですが、証拠として領収書や記録をしっかりと保管しておく必要があります。

 

また、不動産の情報収集や勉強のために購入する書籍や研修費用も経費にできます。さらに、遠方の物件を視察する際の交通費も、不動産業者との打ち合わせや物件内見が目的であれば経費として認められるため、不動産業者の名刺や物件の資料を整理しておくことが大切です。

 

確定申告が終わった後も、住民税や健康保険料の負担を見直し、より有利な税制を活用できるか検討することが重要です。特にアパート経営の規模が大きくなってきた場合、法人化することで住民税や健康保険料の負担を軽減できる可能性があります。

 

法人化のメリットとして、法人契約の保険を活用した資産運用や、退職金・大規模修繕費の積み立てを経費として計上できる点が挙げられます。これにより、税負担を抑えながら、将来的な資金計画を立てることができます。法人において、確定拠出年金を導入することもできます。

まとめ

適切な税務対策を行いながら、キャッシュフローを管理し、手元に残る利益を最大化することがアパート経営の成功につながります。青色申告の活用、適正な経費計上、法人化の検討など、長期的な視点で計画を立てることが重要です。税制の仕組みを理解し、適切な対策を講じることで、安定したアパート経営を実現しましょう。

 

木戸 真智子

税理士事務所エールパートナー

税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー