株式会社リクルート「就職白書2020」における採用の平均費用求人広告会社のデータによると、新卒採用では、大学生の文系・理系を合わせた平均コストが「93.6万円」。これだけのコストをかけても、採用した人材にすぐに辞められてしまっては、企業としても大きな痛手でしょう。採用のツールとしてほとんどの企業が求人広告を利用していますが、実態は悲惨なもののようで……。本記事では、菅谷信一氏の著書『動画とAIで変わる最新人材採用術（人材難、採用難を乗り切る新常識！）』（スタンダーズ株式会社）より、中小企業の採用現場の実態を明かします。
（※写真はイメージです／PIXTA）
「求人広告頼りの採用」の代償
中小企業が採用で苦戦する理由
中小企業が採用で苦戦する背景には「情報不足」があります。効果的な採用手法の情報が十分でないため、求人広告や紹介会社に頼らざるを得ない状況に陥りがちです。こうした依存は、採用活動における課題を引き起こし、さらには長期的な視点での採用力向上を阻害しているのが現状です。
求人広告や人材紹介サービスを利用すれば、一時的に人材確保は実現できるかもしれません。しかし、それだけでは「採用力」が企業内に蓄積されることはありません。
中小企業の成長を支える、真の採用力とは
採用力とは、企業が自ら考え、自社に適した人材を見極め、長期にわたって安定的に確保する力を指します。この採用力が欠如したまま、求人広告や紹介会社に依存し続けると、毎年多額の広告費や紹介料がかさむことになります。その結果、成長に必要な採用基盤を築くことが難しくなるのです。
採用力を支える3つの要素
ここで企業の採用力を支える、3つの要素についてご説明しましょう。
●短期離職の防止：企業と価値観やビジョンを共有する人材が定着することで、離職のリスクを減らし、安定的な成長を支えます
●内定辞退の防止：特に優秀な人材ほど内定を辞退するリスクが高く、これを防ぐことで長期的に貢献してくれる人材を確保します
●応募数の増加：企業が求める人材を明確に見極め、効果的なアプローチを行うことで、質と量の両面から安定的に応募者を集める採用力を構築しますこれらの3つの要素をバランス良く養うことで、企業は持続可能な成長の基盤を築くことが可能になります。
