
いまからできる“後悔しない人生設計”3選
1.老後資金の準備と同時に、いまの“楽しみ”にも投資する
将来のために貯蓄することは大切ですが、「いまの自分の人生を充実させること」も忘れてはいけません。 たとえば、「週末の家族との外食」「気になっていた習いごと」「ずっと行きたかった旅行」……それらはすべて、人生を豊かにする“心の投資”です。
「老後の安心」は貯金額だけでなく、人生の満足度でも決まります。「いまが楽しければそれでいい」でも、「老後ばかりを意識して節約しすぎる」でもなく、バランスの取れた使い方を意識しましょう。
2.人とのつながりを築く“社会的資産”を意識する
お金と同じくらい大切なのが、「人とのつながり」という“社会的資産”です。老後における孤独や不安は、お金があっても消せません。Aさんが感じたように、周囲と話せる話題、共有できる思い出があることが心の豊かさにつながります。 地域のサークルに参加したり、旧友と再会したり、SNSで趣味仲間と交流したり、さまざまな選択肢があります。
自分から一歩踏み出してつながりを作ることは、未来の自分への最高の贈り物です。
3.「やらない後悔」を減らすためにライフイベントを設計する
人生には限りがあります。 「本当は挑戦してみたかった」「もっと家族との時間をとっておけばよかった」……そんな“やらなかった後悔”は、老後になってから強くのしかかってきます。 やりたいことを「いつか」と先送りにせず、ライフプランのなかに具体的に組み込んでいくことが大切です。
旅行・資格取得・副業・親孝行・引っ越し・結婚……どんなことでも構いません。「やる理由」を明確にすれば、計画とお金の準備がしやすくなります。
お金以上に重要なこと
「1億円あれば、人生は安泰だ」「老後に困らないように、できるだけ貯めておかなきゃ」そんなふうに、私たちはつい数字で人生の価値を測ってしまいがちです。もちろんお金は大切です。生活を支え、夢を叶え、未来への安心感を与えてくれる力があります。ですがそれ以上に大切なのは、そのお金を「なんのために・どう使うか」でしょう。
あなたが笑顔になる瞬間は、通帳の数字を眺めているときでしょうか? それとも、大切な人と食卓を囲んでいるとき、夢中になって趣味に取り組んでいるときでしょうか? 豊かさとは、数字や肩書ではなく、「その人らしい時間」と「満たされた心」に宿るものです。
人生の設計図に心のゆとりは描かれていますか? 資産形成の計画だけでなく、人とのつながり、やりたいこと、家族との時間も含めたプランニングこそが、これからの時代に求められる「人生戦略」なのです。
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス
代表