適正な管理費を支払うことでサービスの質を担保
――管理費を抑えたり、空室率を下げる努力をしたりすることも必要でしょうか?
T氏:管理費については「適切な金額を支払うべき」だと思っています。あまりに低コストに抑えすぎると、管理会社に対して意見を言いづらくなることもあるからです。適正な管理費を支払うことで、相応のサービスを受ける権利を確保できるのではないでしょうか。
次に空室率ですが、これは単なるテクニックで退去を抑えられるものではないと考えています。むしろ「一定の空室は避けられない」という前提のもとで、「いかに空室期間を短くするか」がポイントとなります。退去後、できるだけ早く次の入居者を確保することが求められます。
管理会社との連携も重要です。たとえば、通常は退去日の1~2カ月前に入居者から管理会社へ退去通知があるので、その時点で次の募集を開始する管理会社であれば、空室期間を短縮しやすくなります。また、空室予定の部屋と同じような部屋を見学できる仕組みを整えている会社であれば、よりスムーズに次の入居者を確保できるのではないかと思います。
「退去からクリーニングまで10日以内に完了」を目標に
ケイアイスター不動産では、空室対策について迅速な対応を徹底しています。編集部が取材したところ、同社では退去からクリーニングまでを10日以内に完了させ、新たな入居者をできるだけ早く確保することを目標としているとのこと。もちろん、すべてのケースが計画通りに進むわけではありませんが、オーナーにとって最大の利益となるよう、迅速な対応を心がけているそうです。
また、空室が出ることが分かった時点で、まだその部屋に入居者がいる場合でも、同じような他の部屋を見てもらうことで、入居希望者に具体的なイメージを持ってもらえるよう工夫しています。これは、1棟のみを所有する会社では実現が難しいですが、ケイアイスター不動産では新築物件を継続的に供給しているため可能になっているとのことです。このような取り組みが、空室を早期に埋めるための大きなポイントになっているようです。

