
住み替えを考えるときの「お金と暮らしのチェックポイント」
住み替えは人生のなかでも大きな決断の一つです。失敗しないためには、物件の条件だけでなく、家計や将来設計も含めた「総合的な視点」が求められます。以下のポイントを押さえることが大切です。
住宅ローン残債と資産価値のバランス
・現在の住宅ローンの残りの返済額と、自宅の査定価格(売却可能価格)を必ず確認しましょう。
・売却価格がローン残債を上回っていればプラスとなりますが、下回っていると自己資金での補填が必要になるケースがあります。
・「新築から間もない住宅」は値下がりリスクが高く、売却損が出るケースもあるため要注意です。
・不動産会社による複数査定とFPによるシミュレーションを組み合わせて、正確な現状把握を行いましょう。
国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、2回以上住宅を取得している人の割合は住宅購入者の18.8%。特に三大都市圏では22.6%に達し、2回以上購入する人の比率は過去数年と比較し増加傾向です。
「一度買った家に一生住み続けるのが当たり前」 そう思っていた時代からは、変わりつつあるのかもしれません。
大切なのは、周囲の評価やスペックにとらわれず、「自分たちにとって本当に必要なものはなにか?」を考えることです。 家の広さよりも通勤時間、最新設備よりも家族の会話時間……そんな風にそれぞれの価値観を見直した結果としての“住み替え”は、暮らしの満足度を高めてくれることもあります。
2軒目は、ただの買い物ではなく、「暮らし方そのものをアップデートする」という選択になるでしょう。その一歩が、あなたやご家族にとって、より豊かで心地よい日常へとつながるかもしれません。
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス
代表