地面師詐欺のよくある疑問
ここでは、地面師詐欺に関する疑問について、詳しく解説します。
現地(周辺)調査をすれば詐欺を見破れる?
現地調査を行ったとしても、それだけで地面師詐欺を完全に見破ることは難しいです。
なぜなら、地面師は空き家や更地など管理が行き届いていない物件をターゲットにすることが多く、現地調査をしたとしても真の所有者や、真の所有者を知る人と遭遇する可能性が低いからです。また、地面師は事前に建物や敷地の鍵を交換しておくこともあり、一見しただけでは所有者になりすましていることを見抜くことは困難です。
また、不動産会社によっては近隣住民への聞き込み調査に消極的な場合があります。これは、売主とのトラブルを避けたい、取引をスムーズに進めたいという心理が働くためです。
とはいえ、現地調査をきっかけに詐欺と判明した事例も多く、仮に詐欺ではなかったとしても、現地調査により物件の実情を目視することは不動産投資における重要なステップであるため、できる限り実施するようにしましょう。
地面師に騙し取られた不動産やお金は戻ってくる?
残念ながら、地面師に騙し取られた不動産やお金を取り戻すことは非常に困難です。実際に積水ハウス事件では、詐取された金銭は海外に流出したとみられており、回収は絶望的とされています。また、不動産に関しても法律上、善意の第三者(事情を知らずに購入した人)に所有権が移転してしまうと、元の所有者はその権利を主張することができなくなります。
詐欺師本人や、過失のある仲介者(不動産会社や司法書士、場合によっては国)に対して損害賠償請求ができることもありますが、被害者本人にも一定の過失がある場合、過失相殺により被害金額の全額を回収することはできなくなります。
地面師かもと思ったら誰に相談すべき?
地面師詐欺の疑いがある場合、早急に専門家に相談することが重要です。ただし、取引相手が専門家を紹介してくる場合、その「専門家」自身が地面師チームの用意した偽物である可能性も否定できません。また、巧妙な手口の地面師詐欺では、本物の士業等が関わっていることもあります。
そのため、紹介された専門家を鵜呑みにするのではなく、自分自身で信頼できる専門家を探すことが大切です。以下のように、目的に応じて自身で専門家を探すようにしましょう。

地面師詐欺の被害に遭ってしまったら?
地面師詐欺の被害に遭ってしまった場合は、一刻も早く警察や弁護士に相談しましょう。また、金融機関や不動産業者など関係各所への連絡も必ず行うようにしてください。
地面師は迅速に資金を移動させたり、不動産を転売したりするため、対応が遅くなるにつれて被害回復も困難となってしまいます。被害が発覚したタイミング等によって採るべき措置も変わってくるため、何よりも早めに専門家に相談することが重要です。
